「JKビジネス」にからめとられる少女らの現状

村木厚子さんが拘置所で見た日本の課題

村木厚子さん(写真:KADOKAWA提供)

家庭にも、学校にも「居場所」を失ってしまった彼女たち。その少女たちを、結果的に受け止めているのが「夜の街」です。助けが必要な子ほど、出合ってはいけないものがそこにある。助けが必要な子ほど、支援に結び付いていないという実態がある。

家出した少女や薬物依存の女性たちを支援する団体の人に話を聞く中で、私が衝撃を受けたのは、「日本の公的支援はすべての面でJKビジネスや性風俗に負けている」という言葉でした。

実態がどのようなものか。支援者の人たちと夜、東京の繁華街に出かけました。教えてもらわないと気がつかないのですが、スカウトの黒服の男性たちが数メートルおきに立っています。

支援者の人たちによると、男性たちは、1人でいる少女を見つけては「ごはん食べた?」「今日寝るところある?」と声をかける。「食べてない」「寝るところがない」と言うと、すぐに食事に連れていってくれ、寝るところも用意してくれる。かゆいところに手が届くような対応です。しかも、役所や警察のようにあれこれ事情を聞いたりせずに、迅速に、その場でどんどん彼女たちが気がかりに思っていることを解決していくのです。

別の支援者の次の言葉も印象的でした。

「厳しい環境で育った子どもたちは、『安全のセンサー』が狂いがち。だから、おぼれている人に『わらをつかむな』と説教しても意味がない。ちゃんとブイを投げるべきだ」

困っていたら相談に来なさいと、でんと構えていたらスカウトのお兄さんがさっさとさらっていく。お説教している間に、少女たちは荒波にのみ込まれてしまう。「申し訳ないけど、ここで支援できるのは〇歳までなんです」なんて言っている間に、悪徳ビジネスにからめ取られてしまう。

何とかしなければ――。そう感じた大人たちが始めたのが、貧困、虐待、孤独など、生きづらさを抱えた少女たちに寄り添う「若草プロジェクト」の活動でした。

活動の柱は「つなぐ」「ひろめる」「まなぶ」

審議会の仕事などを通じて知り合った弁護士の大谷恭子さんが、作家の瀬戸内寂聴さんと引き会わせてくれて、この問題に一緒に取り組むことになりました。退官後の2016年、一般社団法人を設立し、「若草プロジェクト」と名付けた活動を始めたのです。

活動の柱は「つなぐ」「ひろめる」「まなぶ」の3つ。

「つなぐ」は、少女たちと支援者をつないだり、支援者同士をつないだりすることです。今の若者は無料通信アプリのLINEのほうが相談しやすいと聞き、LINE相談を始めました。そこで受けた相談を、専門家につなぐことをしています。

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