孤独死の後に残った現場の知られざる後始末 滅多に表へ出ない「特殊清掃」の裏側を見た

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病気で言えば慢性的な持病ではなく、救急のケガだと思ったほうがいい。

ただ普通はわざわざ言われなくても、まず遺体の痕跡を消そうとする人が多いと思うかもしれない。だが実際にはそうではないのだ。

「遺体の痕跡はそのままで相見積もりを取ろうとする人も多いよ」

相見積もりとは複数の業者を呼んで、価格や条件を比較することだ。当然、何人もの業者を部屋に呼ぶことになる。

「死体の痕跡は、故人そのものだからね。その横に他人が何人も土足で入って見積もりというのは倫理的に問題があると思う」(佐々木社長)

中には遺体の痕跡はそのままで、作業を進めてくれと言われる場合もあるそうだ。

とある例では、「まごのて」に特殊清掃の依頼があり、現場に行くとすでに家財は撤去されていた。事情を聞くと、

「トイレが現場だったので、臭いが漏れないようガムテープで密閉して作業を進めた」

と説明された。

ガムテープで塞いだくらいでは臭いは完全には防げない。作業員は一般的なゴミ回収業者であり、腐敗臭に耐えながら泣く泣く作業をしたという。

すべては臭いをとめてから

「だから順番が逆なのよね。まずはとにかく痕跡を清掃して、ハエやウジを取って、臭いをとめるのが大事。それから遺品整理でも家財撤去でもすればいいと思う」

臭いをとめずに作業するのは、経済的なダメージもある。

アパートで臭いが漏れ続けていた場合、周りの住人が退去していくケースが多い。そうなった場合、不動産屋や大家の損失は大きい。不動産屋、大家は前もって、信頼できる特殊清掃業者を調べておくのが望ましいだろう。

ただ、特殊清掃業を名乗る業者は多い。どこがちゃんとした業者で、どこが不良業者なのか、見極めるのは難しい。

特殊清掃は、家族や大家も入るのをためらう現場で作業をする。そのため何の気兼ねもなく堂々とプライベート空間に入ることができる。悪意を持った業者にとっては、絶好の狩り場になる。

「現場に行ったら、ダイニングテーブルの上に240万円の現金がポーンと置いてあったことがあった。そこにお金があることは、誰も知らない。もし盗まれても、盗まれたことにすら気づかないだろうね。

特殊清掃は急に発生するので、慌ててパニックになるのはわかる。ただ入り口でいい加減な業者に頼んでしまうと、その後ずっと失敗し続けることになる」

実際、「まごのて」には、一度は特殊清掃業者が入ったもののうまくいかず、“やりなおし”の依頼が来ることもあるという。

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