城彰二が提言「森保ジャパン」が強くなる方法 W杯後の日本代表に必要な個と組織力の強化

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「森保さんは人柄もいいし、メディアも取り上げたくなるような人格者。本当に素晴らしい人間性だと思います。ただ、うそをつけない誠実な人だから、大きな国際大会でどうなるかという不安は多少あります。そこで僕が考えるのは、世界の力を借りたほうがいいということ。

世界的名将とアドバイザー契約を結んで、彼らと連携しながら代表を強化していけば環境もよくなるし、目指すべき目標も高くなるんじゃないかと思います。現に今、Jリーグに(アンドレス・)イニエスタ(J1・ヴィッセル神戸)や(フェルナンド・)トーレス(J1・サガン鳥栖)がいますけど、彼らに日本のサッカー界や文化、考え方を学んでもらえばいい関係も構築できる。

協会はワールドカップで『2030年までベスト4に入る』という大目標を掲げているわけだから、そういう人材に力を貸してもらうのも一案でしょうね」

日本サッカー界の課題にも言及した城彰二(撮影:梅谷秀司)

世界トップを熟知する人物の知恵を借りれば、日本サッカー界の長年の課題であるFW不足も解消できるかもしれない。

今の森保ジャパンを見ても、1トップに君臨するのは2014年ブラジル・2018年ロシアの両大会に出ている大迫勇也(ドイツ1部・ブレーメン)。

絶対的存在に匹敵するFWが見当たらないのは問題だ。

さし当たって今回のアジアカップでは浅野拓磨(ドイツ1部・ハノーファー)と北川航也(J1・清水エスパルス)といった異なるタイプを抜擢したが、万が一、大迫が離脱したら、攻撃陣に暗雲が漂いかねないのだ。

日本のFW育成の課題

かつて自らも代表FW陣の大黒柱を担った城は「今は絶対的なエースストライカーが育ちにくい環境になっている」と指摘する。

「『個が大事』という話はサッカー界のみんなが言っていますけど、育成年代の練習を見ると平均値を上げるトレーニングが多くて、個に特化したアプローチが少ないと感じます。

僕なんかは中学生のとき、他の人よりジャンプ力があって、空間察知力が高いという特徴があったことで、指導者に毎日ヘディングの練習を個別で1時間くらいさせられました。『お前は足を使わなくていいから、頭を使え』なんて言われるのも日常茶飯事だった(苦笑)。

その結果、ヘディングには自信がついたし、頭でゴールも量産できました。岡崎(慎司=イングランド1部・レスター)も小学生時代はヘディングの練習ばかりやっていたと聞いていますけど、何かに特化した練習が少ないことが、ストライカーを育てられない要因かもしれないですね。

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