トヨタの復活「スープラ」乗ってわかった実力

プロトタイプをサーキットで試してみた

エンジンパワー、加速力ともに申し分なし。市街地での走行をイメージしてアクセルペダルをじんわり踏み込んでみると、1600回転から最大トルク値を発揮するだけあって、1400kg台と想像される車体をどんな場面でも軽々と走らせる。

2周目は徐々にペースをアップする。アクセルとブレーキを適宜制御して車両の安定性を保つVSC(車両挙動安定装置)は、通常走行時向けの「オン」と、サーキット走行を想定した「オフ」、そしてその中間に位置する「トラクション」の3つモードがあり、2周目はトラクションモードを選んだ。

フロントウインドに打ちつける雨にも怯まず、直線路でアクセルペダルをゆっくりと全開にする。推定で350馬力近いとされる直列6気筒3.0Lターボエンジンを搭載した新型スープラプロトタイプは、極めて少ないホイールスピンを伴いながら車体をビシッと安定させたまま猛然と加速。

曲率のきついカーブでも前へ前へと力強く進むスープラ(写真:トヨタ自動車)

カーブでは後輪左右の駆動力を電子制御で安定させる「アクティブディファレンシャル」が効果を発揮。ステアリング操作に対してやや過剰な鼻先の反応を示すものの、その後は車体の後部をぐるりと回り込ませるような動きをみせ、滑りやすく外にふくらみやすい曲率のきついカーブでも前へ前へと進む力がとても強い。

2019年、さらに磨きをかけた5代目スープラが登場

車両の持つ素の挙動を試すため3周目はVSCをオフにして走行してみたが、ジワッとしたステアリング操作をきっかけに車体後部が回り込み、カーブをクリアする基本的な特性は変わらず。終始、乗りやすく、そして気持ちがいい。

ただし、限界を超えた際の挙動は思いのほか早く、アクセルペダルには繊細なコントロールが必要に。車体後部が流れ出す、いわゆるドリフト状態はこうしたサーキットでのスポーツ走行では当たり前なのだが、そこにいたるまでの車体後部から伝わる情報量が薄く、前触れ直後にスパッと流れ出すのだ。これは筆者だけでなく、この日試乗したドライバーの多くから挙がっていたコメントだ。

多田氏にこのことを伝えると、「今日はあくまでもプロトタイプであり、これが新型スープラのすべてではありません。発売までさらに走り込み、磨きをかけます!」という力強い言葉が返ってきた。もっともこのプロトタイプ試乗会が、アクティブディファレンシャルの鋭い回頭性や新型パワーユニットによる力強さの体感に重きが置かれていたとすれば、それは狙い通りだったわけで、市販モデルではグッと洗練度を高めてくるとの想像もつく。

トヨタを、そして世界を代表するスポーツモデル「スープラ」。2019年、その5代目が日本に登場する。

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