対面したプロトタイプはすでに各方面で露出されているように赤黒グレー、そして白の4色で構成された幾何学模様の偽装が施されていたが、写真で見るのとは大違いで、非常にふくよかなラインを持つボディ構成が新鮮に映る。試乗会場には4代目スープラ(1993年登場)が展示してあったが、こうなると先代のグラマラスボディがかすむほどだ。とはいえ、この25年間で生産技術は飛躍的に向上したわけだから、ここは先代の偉業に改めて敬意を払うべきなのだろう。
期待に胸を膨らませ、いよいよ試乗に
雨足は一向に弱くならないが、試乗の順番が近づいてくるごとに気分はどんどん高揚する。こんな試乗は久しぶりだ。期待に胸を膨らませドアを開ける。残念ながら発売前であることから、ステアリングやメーター周辺、シフトノブまわり以外は偽装ならぬ黒い布で全面覆われていて、肝心のインテリアデザインはわからない(撮影もNG)。
しかし、新車には揮発性有機化合物などが発する特有の匂いがある。プロトタイプのそれは最近のBMWで感じた匂いだ。また、メーターパネルのフォントや、グラデーションのつけ方、さらにはシフトノブの形状や操作方法は新型Z4にも通ずるものがある。インテリアの確認もそこそこに切り上げ、フィット性の高いシートと死角の少ないミラーを調整し早速コースに入る。
3周で1度ピットインする決まりなので1周目は様子見として100km/h程度を上限にゆったりと走らせる。シフトノブ下部にはドライビングモード選択スイッチがあり、可変ダンパーシステムである「AVS」装着車ではノーマル/スポーツの2つから選択が可能で、同時に非装着車から車高が7㎜低くなる。
ノーマルモードでは可変ダンパーシステムである「AVS」が乗り心地重視に変更され、ダンパーの減衰力が弱めに設定される。よって意図的にコーナーの縁石に深く乗り上げてもストンと軽い衝撃できれいにいなす。
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