トヨタの復活「スープラ」乗ってわかった実力 プロトタイプをサーキットで試してみた

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
拡大
縮小

対面したプロトタイプはすでに各方面で露出されているように赤黒グレー、そして白の4色で構成された幾何学模様の偽装が施されていたが、写真で見るのとは大違いで、非常にふくよかなラインを持つボディ構成が新鮮に映る。試乗会場には4代目スープラ(1993年登場)が展示してあったが、こうなると先代のグラマラスボディがかすむほどだ。とはいえ、この25年間で生産技術は飛躍的に向上したわけだから、ここは先代の偉業に改めて敬意を払うべきなのだろう。

期待に胸を膨らませ、いよいよ試乗に

雨足は一向に弱くならないが、試乗の順番が近づいてくるごとに気分はどんどん高揚する。こんな試乗は久しぶりだ。期待に胸を膨らませドアを開ける。残念ながら発売前であることから、ステアリングやメーター周辺、シフトノブまわり以外は偽装ならぬ黒い布で全面覆われていて、肝心のインテリアデザインはわからない(撮影もNG)。

新型スープラ・プロトタイプと筆者。雨天の袖ヶ浦フォレストレースウェイにて(筆者撮影)

しかし、新車には揮発性有機化合物などが発する特有の匂いがある。プロトタイプのそれは最近のBMWで感じた匂いだ。また、メーターパネルのフォントや、グラデーションのつけ方、さらにはシフトノブの形状や操作方法は新型Z4にも通ずるものがある。インテリアの確認もそこそこに切り上げ、フィット性の高いシートと死角の少ないミラーを調整し早速コースに入る。

3周で1度ピットインする決まりなので1周目は様子見として100km/h程度を上限にゆったりと走らせる。シフトノブ下部にはドライビングモード選択スイッチがあり、可変ダンパーシステムである「AVS」装着車ではノーマル/スポーツの2つから選択が可能で、同時に非装着車から車高が7㎜低くなる。

ノーマルモードでは可変ダンパーシステムである「AVS」が乗り心地重視に変更され、ダンパーの減衰力が弱めに設定される。よって意図的にコーナーの縁石に深く乗り上げてもストンと軽い衝撃できれいにいなす。

次ページ2周目は徐々にペースアップ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT