新型入試実施&学費補助がある私立中112 慶應湘南藤沢やお茶大附属も新型入試開始

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中学入試は大きな変化を迎えています(写真:taka4332/iStock)

いま、中学受験に新しい潮流があります。ひと言でいえば入試の多様化です。従来の4教科型・2教科型の入試とは異なる形式で実施される入試の増加。より具体的に言えば、「思考力型入試」「英語入試」「得意科目選択型入試」の拡大です。ペーパーテストの枠組みさえ超えた「アクティブ・ラーニング型入試」も登場しています。

「正解」のない「問い」に答える中学入試

「思考力型入試」とは、国語・算数・理科・社会の枠組みを超え、思考力や表現力そのものを試すもの。

例えば、ある国の民族の生活の様子を捉えた写真を見て、気付いたことをなるべくたくさん書き出させ、さらにその気付いたことをもとにして、彼らがどのような人々で、どのような生活をしているのかを、想像で書いてみるという課題が与えられます。当然正解などありません。

さらに、実際に写真の民族のところに行き、インタビューして、彼らについての発表を行うとしたら、自分だったら、どんな質問をして、どんなテーマで発表するかを記述させたりもします。これももちろん正解がありません。

2018年の中学入試では、ほかにも例えば、「決める」という概念を中心として、さまざまな状況を想定して、多角的に問う45分間の入試が実施されました。入試に取り組む過程で、最終的には「平等」や「公平」の概念にまで発展します。ある中学では、「哲学的思考力」と題して、「こころ」という1語から自分で問いを設定しその問いに対する答えを400字程度で記述するだけの50分間の入試が実施されました。

拙著『中学受験「必笑法」』でも詳しく解説しているように、2018年の中学入試では、首都圏に約300あるといわれている私立中学校のうち4割以上にあたる136校が思考力型入試を実施しました。2019年には150校近くになる見込みです。すべての生徒を思考力型入試で入学させるのではなく、募集定員の一部を、そのような入試に充てているケースが多いようです。

思考力型入試が増えている背景には2つの理由が挙げられます。公立中高一貫校の適性検査と大学入試改革の影響です。

公立中高一貫校では、入学者選抜に際して建前上、学力試験を行ってはいけないことになっています。そのため「適性検査」という形で入試を行います。しかし特に首都圏の公立中高一貫校は超高倍率。そこに、適性検査そっくりの問題を出す私立中高一貫校が出現しました。公立中高一貫校のための勉強をしてきたのに合格を手にできなかった子どもたちの受け皿になろうというわけです。

私立中学の場合、お金がかかるわけですが、奨学金制度や特待生制度を用意している学校も多くあります(下表)。

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