留学を「就職に有利」な経歴に昇華させる方法 そこでしか得られない「メリット」を考える

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さらに言うと、「強みを探す」とありますが、これも日本にいてもできますから、それでは目的として弱いのではないでしょうか? 留学というコストに対するリターンを最大化するためには、もっと目的を明確化する必要があります。

社会人とはすなわち、かけた時間やコストに対するリターンでもって評価されるものですから、このリターンの最大化は今のうちから強烈に意識をするべきでしょう。

留学でしか得られないメリットや日本にいてはできないこととは何か――。これが大切です。

そのようにして、留学をすることでしか得られないメリットや目的を明確化できるのであれば、延長することで将来のキャリア形成に役に立つ可能性も高まります。反対に現状のような漠然とした目的意識や考えのままであれば、延長の有無は大きな差とはならないでしょう。

目的の明確なビジュアルを持つ

また、転職を繰り返してキャリアを切り開きたい、と書かれていますが、転職もツールであり目的ではありません。何のための転職なのか、その目的意識がしっかりとしていないと評価される転職にはつながりません。

T.O.さんは、非常にキャリアに対してまじめに考えておられますし、モチベーションも高い方だと見受けられます。

だからこそ、「行動の背景」をぜひ意識していただきたいのです。

同じ行動を取ったとしても、キャリア上の芽が出る方とそうでない方に分かれます。行動が差につながるのではなく、その背景や意識が差につながるのです。

行動というアクションに対するリターンの最大化、ぜひこれを意識してみてください。目的は何か、そこでしかできないことは何か。行動の前に思考ありきです。

そしてそのうえで、今の自分にとって一番合理性の高い行動は何かを考えるようにしましょう。

T.O.さんが、目的意識をより明確化されることで結果につながる行動を起こされることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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