24歳の大谷翔平が会見で見せた驚異の人間力 新人王獲得から帰国、天才と言われる理由

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その他でも、「打撃フォームを変えるときに葛藤はあったのか?」という質問に「オープン戦からいろいろ取り組んできて、『できる限り日本で取り組んできた形の中でプレーしたい』という気持ちはあったんですけど、やっぱり結果が出ないのもそうですし、内容も手ごたえを感じることがなかったので、『少し変えてみようと取り組んだことがいい方向に転んでいったのかな』と思います」。

「二刀流をやることに関してリカバリーや工夫したことは?」という質問に、「『飛行機移動が長いのは聞いていたので、そこの時間の使い方は大事』だと思っていたんですけど、『1年間スムーズにできたんじゃないか』と思いますし、選手しか乗っていない飛行機なので、リラックスして次の試合に向けて作ることができました」と語っていたことから、どんなことに関してもPDCAの意識があることがわかります。

「今、自分ができることは何か」に集中している

PDCAの意識が定着しているからこそ大谷選手は一時のミスや一定期間のスランプ、アクシデントや誤算などに一憂せず、現状を過不足なく受け入れて、「今、自分ができることは何か?」に集中できるのでしょう。実際、大谷選手はこの日の会見で、「打者としてより投手のほうに不安があった」「アメリカの生活では食事面に不安があった」などとネガティブな心境があったことを話し、その上で成功した様子をうかがわせていました。

大谷選手のコメントは、「挑戦する以上、不安はあって当然であり、それを嘆くのではなく、どう向き合い、克服していくかを考えればいい」。ビジネスパーソンにそんな教訓を与えてくれるようにも見えます。

大谷選手は高校球児のころから謙虚な人柄で知られていただけに、この日も周囲へのリスペクトや感謝の気持ちを素直に話していました。

「この1年でどのようなことを学んだと感じますか?」という質問には、「日本にいたときもそうなんですけど、『上に行くほど人間的に素晴らしい選手が多いな』と感じますし、これは日本でもアメリカでも関係なく、素晴らしい選手というのは雰囲気であったり接し方であったり学ぶべきところが多いんじゃないかと思いました」と、まずは日米選手への配慮。

「新人王受賞の知らせをどのように聞き、どのように思ったか?」という質問には、「率直にうれしかったですし、中継でつながっていたのでリアルタイムで知ることができたんですけど、誰が受賞するかわからない状態だったので、投票してくれた記者のみなさんや1年間応援してくれたファンのみなさんに感謝するところはたくさんあると思っています」。

次ページメディアの大小や質問内容を問わない姿勢
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