24歳の大谷翔平が会見で見せた驚異の人間力 新人王獲得から帰国、天才と言われる理由
次に注目したいのは、「2016年のインタビューで『世界一の選手になりたい』と言っていた。1年間プレーしたことでそのイメージはつかめたか?」という質問に対する「まだ1年目なので、そういうところに関しては、『現役を引退する手前になるんじゃないか』と思っていますし、自分が感じるところとか、周りの評価がどうなるのかというところで、まだまだ先が見えないものと思っています」というコメント。
あえて「引退」という衝撃的なフレーズを選ぶことで、「世界一の選手になるのはかなり先になる」という感触をわかりやすく伝えたのです。この日の会見では、「決して難しいフレーズを使っていないのに、人々に深い印象を与える」という言葉選びの巧みさを感じることが何度もありました。
コメントから伝わるPDCAの意識
この日の会見を見た人は、原稿どころかメモも用意せず、よどみなく話し続ける大谷選手の姿に驚いたのではないでしょうか。また、質問に対する反応の速さや、失言を恐れて言葉を選ぶ様子がなかったことも、コミュニケーション力の高さを物語っていました。
なかでも特筆すべきは、大谷選手の客観性と分析力。たとえば、「野球とベースボールの違いは?」という質問に、「いちばんは技術かなと。もちろん『フィジカルが違う』というのは見ていればわかると思うんですけど、自分が思っている以上に技術も進歩していますし、自分が考えていた以上に『先の技術が多く採り入れられているな』と思いました」とコメントしました。
さらに「そこに対しては自分が変わって、もっとよりよい方向に変化していかないとついていけない部分のほうが多かったので理解するのに時間がかかりましたし、『できる限り自分のやり方でやっていきたい』という気持ちはあったので葛藤はありました」と話しました。
このコメントから大谷選手が、「十分な準備をして臨み、実践後は現実を受け止めた上で、思考を整理して改善する」というPDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Action=改善)のステップを踏んでいる様子がうかがえます。
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