休職は、端的に言うと「会社の事情でなく、労働者の事情で仕事ができない状態になったときに一時的に仕事を休むこと」です。労働基準法等の法律は、会社に対し、休職制度をこう設計しなさい、休職申出を認めなさい、といった特定の義務を規定していません。
つまり、休職は「法律上当然認められるもの」ではなく、「それぞれの会社が、休職期間を始めとした休職制度の内容を自由に決めることができ、会社が定めた休職制度があってはじめて認められるもの」なのです。
休職を考えるにあたっては、まず、勤めている会社の就業規則を見て、休職制度があるのかどうか、休職制度がある場合は、休職の申出方法、休職期間など休職制度の具体的内容を確認しましょう。就業年数に応じて休職できる期間に差を設けている会社も多いので、自分に当てはまる休職期間のチェックを忘れずに。
休職中のお金はどうなる?
休職期間中は、原則、給与は出ません。就業規則で、休職期間であっても一定額の給与を支給すると定めている会社もまれにありますが、ほとんどの会社では、就業規則で休職期間中の給与は支給しないと定めています。
「それじゃ生活できない」と悲観しなくても大丈夫。一定の条件を満たせば、自分が加入している健康保険に申し出をして、一定期間「傷病手当金」(給与の約3分の2の金額)を受け取ることができます。
ここでいう「一定の条件」は、簡単に説明すると、
(2)療養のため仕事ができないこと
(3)連続して3日仕事を休み、4日以上仕事ができなったこと
(4)給与の支払いがないこと(あっても、傷病手当金の額より少ないこと)
の4つです。詳しい要件は、加入している健康保険に確認してくださいね。収入の不安があると、メンタルの不調で休みたくても休めないでしょうから、傷病手当金のことは頭の片隅に置いておきましょう。
もう1つ大事な点です。休職期間中に給与が出なくても、普段給与から天引きされている健康保険や厚生年金などの社会保険料は同額発生します(長期にわたる休職の場合など、異なる扱いになることもあります)。休職期間中は給与からの天引きができないため、会社と従業員の間で話し合って支払い方法を決めることになりますが、従業員が会社に振り込む、という形で支払うことが多いです。
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