働かされすぎた人が「自殺」を選ぶ本当の理屈 長時間労働がトリガーとなり段階的に進む
「またか……」という思いでニュースを聞いた人も多かったことでしょう。
9月下旬に複数の大手新聞が報じた、三菱電機の社員2人の過労自殺。2014年から2017年にかけて、自殺した2人を含む技術職・研究職の社員5人が、長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して労災認定されたといいます。
大手広告代理店の電通に勤務していた高橋まつりさんが自殺したのが、2015年12月25日のことでしたが、その2カ月後にも、別の過労自殺が起きていたのです。
なぜ、日本からは過労自殺がなくならないのでしょうか?
遺書には、必ず謝罪の言葉が残されている
拙著『残念な職場』でも触れていますが、「過労死」と「過労自殺」は同義ではありません。過労死等防止対策推進法で、“等”という文字が入っているのもこのためです。
過労死は長時間労働と直結していますが、過労自殺はその他のストレス要因の影響が大きく、長時間労働はあくまでも引き金です。
(※脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害も、死に至らなくとも「過労死等」に含まれる)
過労死という言葉を最初に使ったのは医師の上畑鉄之丞氏(2017年没)ですが、「過労自殺」という言葉は過労死問題に長年取り組んできた川人博弁護士による発案で、1998年の著書『過労自殺』の中で初めて使われました。
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