働かされすぎた人が「自殺」を選ぶ本当の理屈 長時間労働がトリガーとなり段階的に進む
つまり、
「長時間労働」⇒「overwork」⇒「精神障害」⇒「過労自殺」
という具合に、長時間労働は「過労自殺」のトリガーになる絶対的に悪しき要因なのです。
「overwork」に苦しむ
「1日20時間とか会社にいると、もはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな」(高橋まつりさんのツイート)
「今から帰宅だが、どう見積もっても時間が足りないぞ? 苦手なことがあると効率が悪くなりすぎるな…」(同上)
「体が痛いです。体がつらいです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」(大手飲食店勤務の26歳の女性社員)
「家帰っても全力で仕事せないかんの辛い……でもそうせな終わらへんよな?」(英会話学校の22歳の女性講師)
彼女たちのつぶやきを振り返れば、いかに彼女たちが“overwork ”に苦しんでいたのかがわかるはずです。
新国立競技場の建設工事の現場監督だった男性社員(当時23歳)が、2017年3月に失踪し、遺体で発見された事件がありました。男性のひと月の残業時間は200時間を超え、ほぼ1日拘束(例:朝7時に出勤、翌日朝8時に退勤)が3回、休日は5日だけ、という過酷なものでした。友人に「もたない、やめたい」などと話していたそうです。
また、自殺した現場には、「突然このような形をとってしまい申し訳ございません。身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした」と書いたメモも見つかっています。
重い責任、過重なノルマ、達成困難な目標設定などにより精神的に追いつめられ、長時間労働で肉体的にも極限状態に追い込まれる。過去10年で10倍も増えた過労自殺(未遂者も含める)をなくすには、「長時間労働」に加え、「職場のストレス要因」の軽減も必要なのです。
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