20年以上の思い出を淡々と語る直美さん。もはや完全に過去の話で、1年弱で離婚してしまったことにも今さら後悔はしていないようだ。
「嘘をつくことが多い人でした。結婚して一緒にいることに不安が募って私のほうが冷めちゃったんだと思います。父と離婚してお店をやっていた母のところに身を寄せて子どもと3人で暮らすことにしました。私は派遣やパートの仕事をしながらの子育てでしたが、すべてが初めてのことなので楽しかったですよ」
美人で明るい性格の直美さんがモテないはずはない。20歳のときに、母親が経営する飲食店で料理人をしていた11歳年上の前夫からアプローチを受けた。
「私と母にはいろいろ良くしてくれたので付き合うことにしたんです。でも、結婚して一緒に住み始めたら、息子に対して言葉の暴力をするようになってしまいました。『オレの子じゃない』なんて……。他人と子育てすることの難しさを痛感しました。私に優しくしてくれるよりも子どもを大事にしてくれるほうがよっぽど嬉しいのですが、それはすごく難しいことなんですね」
この夫とも離婚し、もう再婚はせずに子どもを育てようと決意した直美さん。直美さんの両親は離婚しているが、それぞれサポートをしてくれたので、自分は生活費を稼ぐためにアルバイトやパートをいくつも掛け持ちして必死で働いた。
「結婚相手に変に気を遣うよりも、仕事を3、4つ掛け持ちして働くほうがはるかに楽だと思いました」
シングルマザーの偽らざる本音である。ときどき恋愛はしていたが、家庭には持ち込まない生活を20年近く続けていた。
7年もの不倫を終え、「スナック大宮」へ
30歳半ばで知り合った6歳年上の既婚男性とは7年間も不倫関係にあった。結婚を求められることがないので気楽だったと直美さんは振り返る。その男性との関係が終わったのが昨年の秋。息子が就職をして一人暮らしを始めた時期でもあったので、本連載を通じて知ったスナック大宮に参加したという。
「出会いは欲しいけれど、すぐに結婚したいわけでもありません。そんな私が結婚相談所や婚活パーティーに参加するのは申し訳ないので、婚活が目的ではないスナック大宮がちょうどいいと思いました」
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