ポルシェは電動化しても稼ぎ続けられるのか 2025年までに全モデルの5割の電動化目指す
今年創業70周年を迎えたドイツのスポーツカーメーカー、ポルシェ。プレミアムカーブランドとして確固たる地位を築いている老舗であっても、時代の変化への対応を怠らない。ポルシェは、2025年までに全モデルの50%を電動化すると宣言。プラグインハイブリッド(PHEV)や電気自動車(EV)の投入を今後加速する。2022年までに、総計60億ユーロ(約7700億円)の投資を行う計画だ。
ポルシェの2017年の売上高は217億ユーロ(約2兆8200億円)、営業利益40億ユーロ(約5200億円)。設備投資額は16億8400万ユーロ(約2200億円)で売上高に対する比率は7.7%と競合他社と比較しても高い水準にある。2025年の費用対効果(ROI)の目標には21%を掲げる。回収には相当の時間がかかりそうだが、ポルシェはこの投資に価値があると確信している。
電動化で利益率低下は避けられず
同社初のEV「タイカン」の価格帯は「カイエンとパナメーラの中間となる」(前出のマイヤー氏)。参考までに、日本でのカイエンの税抜き価格は903万7037円、パナメーラは1075万9260円であるため、1000万円前後の価格になるとみられる。
電動車の立ち上げの段階では、バッテリーなど新たな部品の価格が高い。加えて、電動化への巨額投資を踏まえると、この価格水準ではポルシェが誇る高い利益率(2017年の売上高営業利益率は17.6%)が下がることは避けられそうにない。では、どのように収益化を進めるのか。
ルッツ・メシュケ財務・IT担当取締役は「車両の電動化によって利益率は落ちることは免れないが、その分をチャージシステムやさまざまなサービスからの収益でカバーしていく」と話す。この考え方は、「オプションで稼ぐ」ことで高収益を得てきたポルシェらしい発想だ。
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