ポルシェ「電動化へ舵」の大英断ができたワケ

初のEV「タイカン」来年発売に向け準備が進む

ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェが今年10月に開いた公式イベントでは往年のレースカーがそろい踏みした(記者撮影)

「ヴォーーーーーン」

ポルシェの「サウンドナイト」はエンジン音を観客に聴いてもらうユニークなイベントだ(記者撮影)

ドイツの老舗スポーツカーメーカー、ポルシェはこの秋、年に1度の公式イベントを開いた。その名も「ポルシェサウンドナイト」。耳をつんざくような音と、ガソリンの匂いが、アリーナ状の会場にいるポルシェファンたちを沸かせる。

1970年のル・マン世界耐久選手権(WEC)で優勝した「917Kh」や1986年にパリ・ダカールラリーで伝説の勝利を遂げた「959」など、往年のポルシェのレーシングカー13台が集まり、エンジンが唸る音を聞く、というかなりマニアックな集まりだ。 

「EVでもポルシェファンを裏切らない」

約3600人の客は、ポルシェの車や歴史はもちろん、エンジンのファンでもある。彼らの心配はみな同じだ。「ポルシェが電動化したら、ポルシェの走りは、音はどうなってしまうのか」。今年創業70周年を迎えたポルシェ。エンジンには並々ならぬこだわりがあるメーカーだが、来年には初の電気自動車(EV)「タイカン」を発売する。

イベントに姿を現したヴァルター・ロール氏は、1980年代のWRC(世界ラリー選手権)など数々のレースで大活躍した伝説のレーシングドライバーだ。「タイカンは例えるなら、スポーティーなコンフォートリムジン。1度乗ったら、テスラには乗れなくなるよ」と笑顔で話す。

タイカンの開発責任者、ロバート・マイヤー氏は「ポルシェはEVになってもポルシェであることを約束する。絶対にファンを裏切ることはない」と言い切る。

ポルシェが2019年に発売する同社初のEV「タイカン」(写真:ポルシェ)

タイカンは、「パナメーラ」より一回り小さいCセグメントのサルーンで、ドライビングポジションはフラッグシップセダンの「911」に近い。600馬力の4輪駆動で0-100km/hは3.5秒。1充電あたりの航続距離は500kmと市販のEVを上回る。800Vのバッテリーを搭載し、15分で80%の急速充電が可能だ。350kWの超急速充電システムを使えば、9分での充電が可能だという。

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