あのフェラーリが神聖な土俵に上がったワケ 創業70年の名門メーカーが日本に見出す商機
「これより、フェラーリ、ドリブンバイ、エモーション、セレブレーションを開催つかまつります」――。
東京の両国国技館。カンカンカンという甲高い拍子木の音に続き、相撲行司の34代木村庄之助氏がイベント名の「Driven by Emotion(情熱に突き動かされて)」を、力士を呼び出す口上のように宣言すると、参加者の目は土俵上に一斉に集まった。
除幕されて姿を現したのがイタリアの高級スポーツメーカー、フェラーリが創業70周年を記念して開発した「LaFerrari Aperta(ラ・フェラーリ・アペルタ)」。V型12気筒エンジンと電気モーターとのハイブリッド車で、963馬力を誇るスーパーカーの〝横綱〟だ。
フェラーリは今年、世界各国でオーナ-を招いた創業70周年記念イベントを開いている。日本では10月12日にオーナーや関係者ら400人を集めたイベントを開催。全国からさまざまなモデルのフェラーリ70台が集結し、三重県の伊勢神宮まで走行する記念ラリーも行った。
力士のイメージとフェラーリを重ね合わせる
「イベントは大成功だった。あらためて日本のオーナーの皆様の高いロイヤルティを感じた」とフェラーリ・ジャパンのリノ・デパオリ社長は目を細める。相撲が持つ伝統や歴史、力強さとしなやかさが同居した力士のイメージが、フェラーリとも相通ずるものがあるとの考えから、土俵上にフェラーリを鎮座させるという斬新な発想はメディアの度肝を抜いた。
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