あのフェラーリが神聖な土俵に上がったワケ 創業70年の名門メーカーが日本に見出す商機
デパオリ社長は「日本は世界の中で最重要市場の一つであり、特別な存在だ」と明言する。実際、年間の新規登録台数は世界各国の中でもトップ3を争う。2016年のフェラーリの出荷台数は8014台(同社公表)だが、日本では2016年度のフェラーリ車の新規登録台数は726台(日本自動車輸入組合調べ)。暦年と年度の違いはあるが、おおむね9~10%が日本市場で販売されていると考えていい。フェラーリにとっての最大マーケットは米国、続くのが英国で、3番目と4番目を日本とドイツが競っている。フェラーリの本国イタリアは販売台数では5番目の市場だ。
販売台数だけではない日本市場の重要性
ただデパオリ社長が日本を「特別」と表現するのは、単に台数が出ているからだけではない。「これまで私が見てきた中東や中国、香港、台湾などの市場と明らかに違う」と言わしめるのは、日本のオーナーのフェラーリブランドに対する深い理解とロイヤルティの高さだ。
「もともと創業者のエンツォ・フェラーリはレースがしたくてフェラーリを創った。われわれのDNAはレースやF1にある。モータースポーツの歴史が長い日本のオーナーもそこに深く共感いただいているようだ」
フェラーリ独特のV12やV8エンジンを搭載したスポーツカーモデルに加えて、日本では「カリフォルニアT」や「GTC4ルッソ(T)」といった「GTセグメント」も広く受け入れられている。日常的なドライブに適し荷物も積めるなどの多用途性を重視したモデルだ。このGTセグメントの16年の日本での販売台数は2012年と比べて3倍に拡大している。
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