ポルシェ「電動化へ舵」の大英断ができたワケ 初のEV「タイカン」来年発売に向け準備が進む
ドイツの大衆車「ビートル」の基となる車両を設計していたフェルディナント・ポルシェ博士は、第2次世界大戦終戦後の1948年にポルシェを創業。日本でもあこがれのスポーツカーの代名詞として浸透している。
車両本体の価格設定もさることながら、オプションビジネスでも安定して稼ぐ。昨年の営業利益率は17.6%と、製造業にしては異例の高収益率を誇る。近年は中国の富裕層によるSUVモデルの購入が追い風だ。昨年は世界販売台数が過去最多となり、売上高、営業利益いずれも過去最高を更新した。
とはいえ、日本での2017年度の販売台数は6847台。
VWグループ内のシナジーも後押し
そんなポルシェが電動化へ舵を切ると決めたのは、大きな覚悟だった。下手をすれば、培ってきたブランドイメージが一転しかねない。それでも決断できたのは、利益率の高さと、フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下で得られるシナジーのおかげだ。
ポルシェは、2025年までに全モデルの50%を電動化すると宣言。タイカンなどのEVと「918スパイダー」「カイエンS Eハイブリッド」や「パナメーラS Eハイブリッド」などのプラグインハイブリッド車(PHEV)が、電動車の軸となる。
開発効率の向上に向けて、部品の共有化も進む。2014年にル・マンに向けて開発されたレーシングカー「919ハイブリッド」と同様に、永久磁石同期モーター(PMS)を前後軸に搭載。電動車専用プラットフォームと韓国・LG製のバッテリーを、アウディのEV「e-tron」と共有する。ポルシェは、次のEVモデルには、タイカンと同じCセグメントのスポーツトゥーリスモが来ることを示唆している。
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