婚活アプリで「既婚者」に出会った女性の顛末 気軽な出会いほど「遊び」目的の人がいる

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また里美は、こんなことも言った。

「結局、ウチの旦那も離婚してないのに、独身を装って登録をしていたんだから、最初は騙しですよね。ただ、2回目のデートのときに、『じつはもう5年別居していて、離婚調停をしている妻がいる。本気で付き合いたいから、隠しているのもつらい』と言ってきた。そのときは正直、腹が立ちました。でも、彼を好きになっていたから、『ほかに私に隠していることはないの? 今なら許すから正直に全部言って』と問い詰めたら、『奥さんのほうに5歳になる男の子がいる』と。もうあのときは、頭が真っ白になりました」

そこから彼は、元妻との関係を話し出したという。結婚した直後からうまくいかなくなり、それでも子どもを授かった。なんとか仲を修復したいと思ったけれど、子どもが1歳にならないうちに元妻は実家に帰り、それ以来、子どもにも会わせてもらえなくなった。

「子どもは男の子だそうです。『今自分が父親の顔をして出ていったら子どもも混乱するだろうから、寂しいけれど子どもに会うのはもうあきらめている。大人になって、向こうから連絡を取ってきたら、そのときは会おうと思う』と言ってました。だから、私たちの間に、1日も早く子どもを授かりたいんです」

大事なのは出会う場所より、相手を見極める目

婚活という言葉が生まれてから、10年になる。生涯の伴侶を見つけるための結婚活動手段は、相談所でも、婚活アプリでも、婚活パーティでも、友達の紹介でも、実はなんでもいいのだ。

大切なのは、相手を見極める目。

結婚相談所に入会するためには先にも記したが、独身証明書、住民票、年収証明書、資格証明書、学歴証明書など、各種の公的書類の提出が義務付けられているので、経歴詐称はできない。結婚相談所は、いわば婚活市場の安全地帯だ。

しかし、里美は結婚相談所という安全地帯でお見合いを繰り返したが、生涯の伴侶は見つからなかった。

もちろん、結婚相談所で成婚していく人たちもいるのだが、安全地帯で活動している人たちというのは、どこか恋愛にも婚活にもガツガツしていない人が多い。積極的に互いの距離を縮めようとしない人と見合い後に交際に入っても、結婚までは進展しない。

かといって、アプリのコミュ力のあるヤリモクのエリートに餌食にされていては、結婚は永遠にできない。

本当に結婚をしたいなら、まずは出会う行動を起こすこと。そして、出会ったことで安心せずに、対峙した相手としっかりと関係を築いていくことだ。

そして重ねて言うが、何より大切なのは、相手を見極める目を持つことだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラYouTubeも開設。

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