3月のある日、山神瑞穂(25歳、仮名)が、面談にやってきた。ショートヘアに黒目がちの大きな瞳が印象的で、アイドルグループのメンバーにいてもおかしくないくらいのかわいらしい容姿だった。そんな彼女が、開口一番に言った。
「お見合いをして、できるだけ早く結婚したいんです!」
年齢的にも見た目的にも、普通に生活をしていればすぐにボーイフレンドができるだろうし、合コンや飲み会に行けば、真っ先にモテるタイプだろう。それがなぜ25歳にして、あえてお見合い結婚を選ぶのか。スペック重要視ということか?
「時間の無駄はイヤ」
「べつに玉の輿に乗りたいわけではありません。結婚しても仕事は続けたいし、経済的にもパートナーに頼るような生活はしたくない。
ただ恋愛で相手を見つけたとしても、その先に結婚があるかどうかはわかりませんよね。こちらが結婚したいと思って付き合っているのに向こうにその気がなかったら、付き合った時間が無駄になってしまう。結婚する意思のある人と出会いたいんです」
実はここに来る1年前にも、結婚相談所に登録をしていたという。そこは、瑞穂が卒業した女子大の同窓生やその親族関係者が登録している相談所だった。身内で構成されているので男性の素性に安心感はあったが、登録人数が圧倒的に少なく、お見合いが思うように組めなかった。
そこで、この連載記事を読み、私を訪ねてきた。
「30までには子どもを産みたいんです。あと5年あるけれど、出会って結婚して妊娠して出産をするまでには、2、3年かかる。今から活動を開始しないと、間に合わないと思ったんです」
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