復縁工作の仕方は、こうだった。
まずは、探偵が彼の行動範囲内に現れて、仲のいい友達になる。その後、依頼者と自然な形で出会えるような状況を作る。そこから探偵が間に立って、2人の仲を取り持っていく。
「『だからといって、人の気持ちなので絶対に復縁できるとは限りません』とも言われました。話を聞いているうちに、『成功するかどうかわからないのに300万円を払う価値があるのかな。それに、私、なんだかストーカーみたい』と思って、ここで憑き物が落ちたように冷静になりました(笑)」
人の気持ちをお金で買うよりも、幸せになれる結婚相手を探そう! そう考えた瑞穂は、結婚相談所で結婚相手を見つけることにした。相談所の経緯は、冒頭に記したとおりだ。
今回結婚を決めた井崎雄大(34歳、仮名)は、私の相談所で5人目に見合いをした相手だ。出会ってから約半年の付き合いを経て、10月にプロポーズをされ、それを受けた。
結婚の決め手は、彼のおおらかな性格だった。
「井崎さんは、私が自己開示をした2人目の男性です(笑)。学生時代に優等生ぶっていたけれど、とても生きづらかったこと。医大生に失恋したこと。失恋を機に1人で生きていくことを決めたけれど、会社の先輩が産休に入っていくのを見て、“こういう人生もあるな”と思ったこと。失恋相手が忘れられなくて復縁工作ができないかと探偵バーに行ったことなど、すべてを話しました」
すると、彼が穏やかな口調で言った。
「若いときって、いろんなことがあるよね。でも、それで今があるんだから、無駄な経験はひとつもないよ」
これまで生きてきた過去も、今も、やわらかな笑顔ですべてを受け入れてくれた。
「だからこそ、この人となら未来を紡げると思ったんです」
25歳の結婚は早いのか、遅いのか
婚約してから、大学時代の仲良しグループに、『私、結婚することになりました!』という、LINEを入れた。
「えっ、彼氏もいなかったのに、なんで結婚?」
「結婚相談所? いつ入ったの?」
「私はまだ恋愛したいから、結婚はもっと先でいいな」
「結婚相談所より、合コン、街コンのほうが楽しそうじゃない?」
友人からの反応はさまざまだった。
25歳の結婚は早いのか、遅いのか。その捉え方は、人によって違うだろう。たった一度の人生だ。その結婚に後悔がなければ、時期はいつでもいいのかもしれない。
ただ過去の終わってしまった恋愛の残像を宝物のように持ち歩き、再生することのない恋にしがみついていても、何も生まれない。それは自己満足にしか過ぎない。
大切なのは、今の自分がどうしたらリアルに幸せになれるのかを考え、行動を起こすことではないだろうか。
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