婚活カップルが「真剣交際」から破局したワケ

「姉の前で、僕を下の名前で呼ばないで」

育った環境も考え方も違う。そこを何とかうまく擦り合わせていきたいと思っていたけれど…(写真:kumikomini/iStock)
この連載は、仲人として婚活現場にかかわる筆者が、毎回1人の婚活者に焦点をあてて、苦悩や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく。
育ってきた環境がまったく違う2人が、一緒に暮らすのが結婚だ。そこには、価値観の違いも出てくる。また親や兄弟とどうかかわったらいいのかの問題もある。今回は、そこがあまりにもすれ違ったカップルのストーリーだ。

「本当に私と結婚する気があるのでしょうか?」

「孝之さんなんですが、結婚に向けての具体的な話をまったくしようとしないんです。私が、『再来月の15日が仕事の契約更新だから、あなたの家から通える場所で出向先を探したいんだけど、どう思う?』と言ったら、『それはあまりにも急な話すぎるなあ~。そんなすぐには結婚できないでしょう』と、のんびりした声で言われました」

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「面談をしたい」といって事務所にやって来た藤岡容子(38歳、仮名)は、不満そうに言った。容子はフリーのSEで、自力でこれまで仕事を切り開いてきたバリキャリだ。一方、米倉孝之(44歳、仮名)は、中学から大学まで関西では有名な私立校に通い、その後、都内の一部上場企業に就職したボンボン気質。そんな2人が真剣交際に入ってから、すでに3カ月が経っていた。

結婚相談所には、“交際”と“真剣交際”の区分がある。“交際”は相手の人柄を見ていく期間なので、何人と付き合ってもいいし、新たなお見合いをしてもいい。それを経て1人を選び“真剣交際”に入るのだが、ここからは結婚に向けての具体的な話をし、3カ月を目安に成婚を決めて、退会をしていくのが結婚相談所の通例だ。

ところが真剣交際に入ってから、容子が米倉に結婚に向けての話をしようとすると、具体的な答えがまったく返ってこず、一向に結婚への話が進まないというのだ。

「私の仕事は1年更新だから更新してしまったら、そこから1年は出向先を辞めることができなくなる。孝之さんの今の家に住むとなると、通勤に2時間以上かかるので、通いきれない。彼と結婚するなら、それがいつ頃になるのかメドをつけて、仕事を契約更新するときに出向先を通勤圏内に変えたいんです」

米倉は5年前に都内の一等地にマンションを購入しており、結婚したらそこを新居にする心積もりでいた。

「この間会ったときには、何の話も進まないので、『あなたは、私と本当に結婚する気があるの?』と聞いてしまいました。そうしたら、『それは、もちろんありますよ』と言うんですけど、それもなんだかのらりくらりで」

結婚に向かおうとする2人のスピードが、あまりにも違っていた。

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