2014年、日本が本格復活する条件とは? みずほ総研チーフエコノミスト・高田創氏に聞く②

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2014年の日本はどうなるのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所の3大シンクタンクが、14年の注目テーマやトピックを分析していく6回シリーズの第4回目。前回に続き、みずほ総合研究所チーフエコノミスト・高田創氏のインタビュー。「2014年=日本経済本格復活の年」とするには、何が必要なのかを熱く語る。(聞き手:東洋経済書籍編集部)
第1回 日本は「おもてなし観光医療」で世界一に
第2回 イスラム教徒を、日本のお得意客にしよう
第3回 もう円高には戻らない

2014年は、1ドル100円を超える円安が進行

――14年の円ドルレートはどうなりますか。

1ドル100円を超える円安に進むことがわれわれの見方です。13年もその水準に一時的に到達し、いま再び100円を超えてきましたが、1年を通してみれば本格的とはいえませんでした。QE3(量的緩和第3弾)を止めるといっても、まだ難しいということで、14年に持ち越しになりそうです。

約4か月半ぶりに1ドル101円台をつけた為替相場。14年は、100円台が定着しそうだ(撮影:今井 康一)

14年はさすがにQE3を止めると思いますが、ただアメリカも今回の景気回復はそれほど万々歳という状況ではないので、ゆるやかに行うことになるかもしれません。繰り返しになりますが、QE3というのは「形を変えたドル安誘導」であり、「そろそろやめてもいいよ」というサインが出てきているということです。

前に述べましたように、コンサートホールで席を立って6年観てきたアメリカやヨーロッパが「俺たちは十分に観たから席に座るので今度はおまえが観ろよ」、あるいは「今度は日本が積極的に金融緩和のオリンピックに参加してがんばれよ」と譲ってくれたことが、黒田金融緩和の成果につながったと思います。

――そうなると1ドル100円超えが定着することになりますね。

それが14年の為替水準になると思います。しかも、そういう環境下でも日銀は金融緩和を続け、アメリカも金融緩和(QE3)を止めるといっても、止めない。欧州中央銀行もこのほどさらに一段と金融緩和を行っています。このように金融緩和がどこでも比較的長く続くということは、資産価格が上がりやすいということです。特に先進国を中心とした株・不動産の価格が上がりやすい時代に入ったということを意味します。しかも先行き期待は悪くありません。

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