英語「マネー」の美しくも何気に意味深な語源 今日誰かに話したい金融英語の語源
Bankrupt
Bankはイタリア語の「banca(机=両替屋の机)」からきた言葉で、イタリア語では今でも「銀行」のことは banca と言いますが、同時に男性形の banco も用いられます。
ただし、男性形の banco は Banco di Roma とか Banco di Napoli のように、後ろに都市名がつく固有名詞にかぎって用いられるようです。それでも、イタリア人の友人の話では、最近はローマ銀行も Banca di Roma と表記されているようですので、Banco というイタリア語は徐々に使われない方向に向かっているのかもしれません。
イタリア語では縮小辞といって、「かわいらしい」意味を加えるために好んで -etto、-ino などという語尾をつけます。英語の 「ブックレット(booklet)」「パンフレット(pamphlet)」 などもその名残です。で、「机」の banco に -etto をつけたのが banchetto で、これがフランス語を経由して、英語の「宴会(バンケット=banquet)」 となりました。
マネーロンダリングの語源は?
英語の bank には「土手、堤」の意味もありますが、これも古いデンマーク語の banke に起源を持つものの、関連のある同じルーツの語です。そして「ベンチ(bench)」 も同じファミリーです。昔は「机」の意味もあったのです。「ベンチマーク(bench mark)」 は「基準」「標準価格」の意味でよく聞かれます。
さて、「bankrupt(破産する)」は、この「銀行」の bank に 「rupta(破産した)」が付いて短縮したもので、名詞は「bankruptcy(破産)」です。この rupta という形はラテン語「rumpere(破壊する)」の過去分詞ですが、ほかに「rupture(破裂)」という語があります。この動詞は他にも接頭辞がついたたくさんの派生語を生んでいます。
Money Laundering
「money laundering(マネーロンダリング)」もすっかり定着しました。「ポケットマネー」「マネーゲーム」など、すっかり日本語になった「マネー(money)」 という言葉の起源は、ローマのいちばん偉い女神 Juno の名前で、この女神は「警告の女神」でもありました。
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