吉野家・松屋・すき家、今年も熱い「牛鍋戦争」 価格は三者三様! 肉や野菜の量に違いも…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
吉野家の牛すき鍋膳の発表会見で笑顔を見せる河村泰貴社長(中央)。テレビCMに参加した俳優やタレントも駆けつけた(撮影:今井康一)

満を持して投入する牛すき鍋膳だが、今年は例年と異なる点がある。1つ目は価格だ。今年は並盛価格が690円となり、過去2シーズンの650円と比べて40円高い。品質改良や野菜増量も進めているが、背景には原材料価格や人件費の上昇がある。

もう1つが販促手法の見直しだ。これまでも鍋商品のテイクアウト販売を行ってきたが、今回はテレビCMやポスターでもテイクアウトを強調。牛丼並盛4食分の牛肉が入った「牛鍋ファミリーパック」(980円)も販売する。平日の夜に吉野家に来店する家族客は少ないが、テイクアウトで食卓に並べてもらうことで売り上げ増を狙う。

トッピングを訴求

さらに今回から力を入れるのがトッピングだ。以前からメニューブックの「サイドメニュー」にあったが、今回は「追っかけメニュー」と称して、チーズやねぎを一緒に食べてもらうことを訴求する。

吉野家が2013年に投入した最初の牛すき鍋膳(左、発売当時は580円)と今回の牛すき鍋膳(右、690円)。野菜が増量されているのが一目瞭然だ(撮影:今井康一)

「牛肉が高騰する中で、値段を上げ続けるわけにもいかない。『追っかけメニュー』では、われわれの提案を基にお客様に選んでいただき、結果として客単価が上がればいい」(吉野家でマーケティングを担当する伊東正明常務)。トッピングは従来から店舗にあるものを使用し、「現場の負担はそれほど大きくない」(同)。

競合他社も攻勢をかけている。松屋は牛丼3社の中で先駆けて、10月9日から「牛鍋膳」を590円で販売している。「やはり他社と比べられる」(会社側)との考えから比較的安いところを狙った。野菜は少ないが、みそ汁がついている点が特徴だ。

次ページすき家が出す鍋の特徴は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事