10月9日、経団連から就活ルール廃止の発表があった。企業側からは、ただでさえ採用活動が難航している新卒採用をさらに難しくしてしまう、と懸念の声が上がった。確かに、現行ルールを踏襲するにしても、新ルールを作るにしても、しばらく若手人材の採用は混乱するだろう。いずれにしても、少子化の進展や企業の採用ニーズの増加から、採用難易度が高い状況は続きそうだ。
この一連の騒動を見ていて思うのだが、なぜいつも「採用」ばかりが議論の的になり、「定着」については議論に挙がらないのだろうか?
新卒入社の3割は3年以内に辞める――。厚生労働省が毎年発表しているデータを見ても、新規学卒就職者(大卒)の3年以内離職率は多少の増減はあるが、30%前後で推移している。23日には2015年3月卒業者の最新データが発表になったが、31.8%と微減にとどまっている。
大卒の3年内離職率は30%台が続く
若手人材の「採用数」を伸ばせないのであれば、若手人材の「定着率」を高め、離職率を減少させる取り組みをもっと本腰を入れてやっても良いのでは、と感じる。
以前書いた記事(「『新入社員がすぐ辞めていく会社』の4大特徴」)で、新入社員がすぐに辞めていく会社の特徴を紹介した。この記事では、「世代間ギャップ」を根底とした教育・マネジメントのミスマッチ、ネガティブリスト型評価といった特徴を切り口に、新入社員が辞める会社を解説した。
今回は、新入社員にとっての「人間関係」の中心にいる上司・先輩という切り口から、退職に至る理由を考察したいと思う。
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