「お金のライザップ」は何を鍛える場所なのか

サイバーエージェント出身者が起業

こうした自分自身の経験を基に、個人顧客一人ひとりと向き合い、コンサルタントが顧客と一緒になって小さな目標を探しながら前へと進み、達成を繰り返すことで大きな目標を達成していく。そんな”心の距離の近さ”がポイントというわけだ。

以前、松村邦洋氏のライザップでのダイエットについて取材レポートしたことがあったが、彼らの手法はライザップと極めてよく似ている。ライザップに限らず、どのようにすれば減量できるのか。食習慣や生活習慣の中で、何が肥満要素で、どのようにすれば解消できるかといったメソッドは、ある程度確立されている。

その際にわかったのは、ライザップのメソッドが特殊なのではなく、一人ひとりに合わせたカスタムメードのトレーニングメニューを”一緒に作り、一緒に目標を立て、一緒に目標達成に向けて頑張る”という、担当トレーナーとの距離の近さがポイントだった。

”資産を増やす行動と判断”を習慣化

bookeeも”お金にまつわる基礎知識”については、出資者にもなっているファイナンシャルアカデミーのノウハウを活用している。単に知識を得るだけならば、ファイナンシャルアカデミーに通うという手もある。

しかし、それだけで”資産を増やす行動と判断”を習慣化し、将来に対する不安を完全に払拭できない人もいる。このために行動学の専門家の協力を得て、義務としてミッションをこなすのではなく、自らの選択として自然にお金が増える考え方を身に付ける。

これはライザップをはじめとする、近年の減量プログラムとも共通する考え方、手法で、ライザップがゴルフや英会話などに幅を拡げている様子とも類似している。

しかし、疑問もある。まだスタートアップなだけに、事業プランが全方位に向かっていないことは理解できるものの、比較的カジュアルな金融知識を身に付けるパーソナルトレーニングを受けたい消費者が、どのぐらいいるのか。また、bookeeの卒業生たちと、どうリレーションシップを継続するのかといった、事業継続性へのイメージが湧きにくい点である。

この点について児玉氏は「私は一貫してITで世の中を変えることに挑戦してきました。まずはパーソナルトレーニングという形で、どんな人たちが、どんな悩みを抱え、具体的にどのようにすれば資産を増やしていけるか。カスタムメードの改善プランを開発していくことで、いずれはアプリを通じて継続的にアドバイスを与えたり、あるいはアプリだけで店舗に通わずに金融リテラシーを身に付ける”1対n”のプログラムに発展させていきます。これが”金融のパーソナルトレーニング”という最初の目標に続く、bookeeの2つ目の設立趣意です」と話した。

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