「リカちゃん人形」を完全理解する蘊蓄100章 その誕生から50年以上に渡る歴史を全解剖

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初代から5代目までのリカちゃん人形(写真:AP/アフロ)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「リカちゃん人形」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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01. 「リカちゃんハウス」とはタカラトミー(旧タカラ)製の着せ替え人形・リカちゃん用ドールハウスのこと

02. ビニール玩具メーカーだったタカラは、1960年にビニール製空気人形〈ダッコちゃん〉を大ヒットさせた

03. 1966年、タカラはその加工ノウハウを活かし、女児向けの着せ替え人形市場への参入を計画する

04. 当初は米国製の〈バービー〉や〈タミー〉など、他社の着せ替え人形用のドールハウスを製作予定だった

05. しかし外国製の人形は等身が約30cmと大きく、ドールハウスのサイズも相当大きくなることが予想された

06. ドールハウスは欧米では人気玩具だったが、日本の住宅事情や子どもの持ち運びに適さないと企画を変更

07. 日本の狭小な住宅事情に見合ったサイズのドールハウスと、それに合った〈独自の人形〉開発に着手する

08. 1967年7月4日、タカラはオリジナルの着せ替え人形「リカちゃん」(初代)を発売。価格は1体600円だった

09. 同日、リカちゃん専用のドールハウス「リカちゃんドリームハウス」(価格980円)も同時発売された

10. 人形の企画にあたっては、日本の少女たちがより身近に感じられるファッションドールをテーマに掲げた

細かいキャラクター設定

11. リカちゃん人形の身長は外国製人形よりも小ぶりに、幼い女児の手にも収まるよう約「21cm」に設定された

モノ・マガジン11月2日号(10月16日発売)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

12. 顔やスタイルは、当時流行していた少女漫画のヒロインを意識し、人形の目には漫画的に「星」が描かれた

13. 当時のリカちゃん人形は腰部にジョイントがなく、目のなかに描かれた星も〈ひとつ〉だった

14. リカちゃん人形には企画段階から細かいキャラクター設定がなされ、本名は「香山リカ」

15. 誕生日は5月3日(おうし座)で、年齢は11歳の小学5年生。身長は142cm、体重は34kgである

16. フランス人音楽家・ピエールを父に持ち、母・織江はファッションデザイナーという日仏ハーフの少女だ

17. 〈香山〉という苗字は、一説には当時人気を博した女優の香山美子と加山雄三から発案されたともいわれる

18. またハーフという設定は、美少女モデルとして人気だった高見エミリー(現・鳩山エミリ)を意識したとも

19. のちに鳩山エミリは衆議院議員・鳩山邦夫夫人となるが、60年代は人気少女漫画誌で表紙モデルを務めていた

20. リカちゃん人形のメインターゲットは3~6歳の女児で、その年齢層が好む「ピンク」色を主体にしている

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