｢リカちゃん人形｣を完全理解する蘊蓄100章 その誕生から50年以上に渡る歴史を全解剖

21. また低年齢層の〈ごっこ遊び〉による情操教育をテーマとした玩具ゆえ、ハウスや家族人形、小物も重要視

22. 初代リカちゃん人形と共に発売された「リカちゃんドリームハウス」は女の子の夢がつまった家がテーマだ

23. 赤い外観のハウスはボール紙とビニールで作られ、たたむと上部に取手があり可愛いバッグ型になっていた

24. 開くとワンルームの部屋になっており、ソファ、テーブルの応接セットとレースのカーテンがついている

25. 発売当時の広告イラストは漫画家・牧美也子が手掛け、リカちゃんドリームハウスの表にも絵が入っていた

26. 翌68年には、リカちゃんの初代ボーイフレンド「わたるくん」人形が登場する

27. GSブームを背景にリカはわたる等と〈リカちゃんトリオ〉を結成し「リカちゃんトリオハウス」が発売された

28. 1969年には母・織江がブティック〈ジュエル〉を開店したという設定で、「ママの洋装店ハウス」を新発売

29. 同年「リカちゃんデパート」も発売され、高度経済成長期にデパートにお買い物に行く家族像が表現された

30. 人形＋ハウスのセットで基礎が作られた〈リカちゃんワールド〉は、常に時代を反映するものになっていく

31. 1971年には母が六本木に新しいブティックをオープンし、「リカちゃんマンション」が発売される

32. このハウスは当時、一般の憧れだったマンションタイプの住居に、階段付きの屋上テラスもある贅沢な造り

33. ベッドやシャンデリアなどゴージャスな雰囲気の内装が特長で、70年代少女の〈憧れ〉がつまっている

34. 同年にはリカちゃんのレジャーアイテムとして「夢のボーリング場」が発売。ハウスに〈遊戯場〉が加わる

2代目リカちゃんは、顔もスタイルも大人っぽく変化

35. 1972年には初代リカちゃん人形がリニューアルされ、2代目となる「ニューリカちゃん」が発売

36. タカラの自社製による人形で、髪は栗色だが、目の星は〈3つ〉に増え、顔もスタイルも大人っぽく変化した

37. また人形の靴底に強力なマグネットが付けられ、以前よりも安定してハウス遊びに対応できるようになった

38. 当時の設定では、パリのファッションコンクールに出場した母・織江が、一時消息不明だったパパと再会

39. 日本で一緒に暮らすことになり、新発売された「ニューリカちゃんハウス」に引っ越したことになっている

40. 同年には「リカちゃんスーパーマーケット」「ピチピチリカの山小屋」「白い白い家具シリーズ」も登場