「職場恋愛」が面倒な人と夢見る人の大きな差 企業が「野暮なルール」を課すのも致し方ない

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小川:そういう面もあると思いますが、得することがあると同時に「どうせ美人だからその地位にいるんでしょ」というやっかみも大きい。女性からだけではなくて、男性からも持って生まれた「美」という才能への嫉妬を集めてしまうこともある。

TBSの宇垣美里アナウンサーが「私には私の地獄がある」と言って話題になりましたが、他人から見てイージーモードであっても本人から見た景色は違うわけで、「美人は人生イージーモード」だけが真実ではないですよね。

「美人」と「モテ」は無関係

:「美人はスーパーカー論」ですよね。スーパーカーはコントロールが難しくて、なかなか乗りこなせないし、事故も多い。ただしうまく乗りこなすと、ものすごいスピードが出る。

『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(林伸次/幻冬舎)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

小川:そして美って相対的なものですよね。その人がどのような場所にいるか、どのコミュニティにいるかで美人かどうかの評価が変わってくる。私は20代前半のころ、料亭に芸者さんを呼ぶ花街で、着物姿でお酌をするバイトをしていたことがあります。そこでは世間一般で言われる美人ではなくても、お客さんからモテていたお姉さんもたくさんいたんですよね。

:確かに「美人」と「モテ」は関係ありませんよね。「美人インタビュー」でも「そんなにモテたくない」と彼女たちは言うんです。「好きでもない人に好きと言われても、面倒くさい」と。

小川:不特定多数にチヤホヤされなくても、好きな人に好かれればいいって人も多いはずだし、恋愛にそんなに興味がない人だってそこそこいる。「もっとモテたい、もっと愛されたい」というのは、広告代理店が作り出した概念にしかすぎないんじゃないかと思います。

(構成:アケミン/撮影:牧野智晃)

林 伸次 「bar bossa」店主

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はやし しんじ / Shinji Hayashi

1969年徳島県生まれ。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年にbar bossaをオープンする。2001年、ネット上でBOSSA RECORDをオープン。選曲CD、CDライナー執筆多数。『カフェ&レストラン』(旭屋出版)、『cakes』で連載中。著書に『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか』『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない』(ともにDU BOOKS)、『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』(アスペクト)、『ワイングラスの向こう側』(KADOKAWA)、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)がある。

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小川 たまか ライター

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おがわ たまか / Tamaka Ogawa

1980年、東京都出身。ライター。文系大学院卒業後、フリーライターを経て2008年から編集プロダクション取締役。2018年4月に独立し、再びフリーライターに。2015年頃から主に性暴力の取材に注力。Yahoo!ニュース個人「小川たまかのたまたま生きてる」などで執筆。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(タバブックス)は初の著書。

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