「職場恋愛」が面倒な人と夢見る人の大きな差 企業が「野暮なルール」を課すのも致し方ない

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:確かにいくら職場のルールで厳しく禁じられても、恋に落ちる人は落ちますよね。

なんでも恋愛の文脈にする「勘違いおじさん」

:また男性の中には、職場で部下の女性が笑顔で接していると、勝手にそれを恋愛の文脈でとらえてしまうケースも存在すると聞きます。

林 伸次(はやし しんじ) /1969年徳島県生まれ。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年にbar bossaをオープンする。2001年、ネット上でBOSSA RECORDをオープン。選曲CD、CDライナー執筆多数。『カフェ&レストラン』(旭屋出版)、『cakes』で連載中。著書に『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか』、『バーのマスターは、「おかわり」をすすめない』(ともにDU BOOKS)、『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』(アスペクト)、『ワイングラスの向こう側』(KADOKAWA)、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)がある(撮影:牧野智晃)

小川:残念ながら「おじさんたちの勘違い」は存在しますよね。労働ジャーナリストの金子雅臣さんの著書『壊れる男たち――セクハラはなぜ繰り返されるのか』で、金子さんが実際にセクハラの被害者、加害者両方から話を聞いたケースが紹介されているのですが、加害者側は「笑っていたから彼女もその気なんだと思った」「彼女は美人だから男性経験も豊富なはず。嫌がって見せたのは彼女の駆け引きだろうし、自分の誘いが本気で嫌なら断ろうと思えば断れた」など、妄想というか勘違いが甚だしいです。

最近はなんでもかんでもセクハラセクハラって……って思う人は、『壊れる男たち』や『部長、その恋愛はセクハラです!』を読んで、やばいケースが普通にあることを知ってほしい……。

:特に美人については、小川さんの著書『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』の「美人とセクハラ」の章でも詳しく論じられていますね。

『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(小川たまか/タバブックス)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

小川:性被害に遭っても「騒ぐのはブスだけ、美人は黙っている」と、糾弾した側をおとしめる風潮や、美が求められる(と思われる)業界に身を置く女性には「ルックスを武器に仕事をしているんだから、多少のセクハラも性被害も我慢しろ」という偏見や「していいはずだ」という加害者目線も存在しますね。

:僕はライフワークとして『美人インタビュー』というものを行っていまして。「何歳ぐらいから自分が美人だと気づいたか」「美人に生まれて良かったか」「美人で良かったこと、得したこと」といった質問を美人にしているんです。話を聞いたなかには、自ら「美人であることは、パスポートだ」と語る人もいました。

営業職や編集者など仕事の場でも、美人だと取引先に受け入れられやすいとか、パーティーの場でも注目されて顔を覚えてもらいやすい……など得することも多いと彼女たちは言うのです。

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