なぜ、豆腐とガンダムがコラボできたのか?

ガンダムファン社長が語る次世代を創る企業(下)

「常識のアップデート」が次の時代を切り開く

夏目:では、最近のトピックがあればお教えください。

鳥越:いま「焼いておいしい絹厚揚げ」という商品が大ヒットしています。その名のとおり、焼くとおいしい。デンプンが入っているため、業界では「邪道」などといわれましたが、じつはニーズを捉えていた。

夏目:私も週に3パックは食べています……。

鳥越:ありがとうございます。さらに、新たな主力に成長した商品もあります。「なめらか木綿3個パック」です。じつはこれ、相模屋が販売を開始するまで、業界では絶対に“生産不可能”といわれていた商品なのです。

個食化(家族ばらばらの食事)が進む時代、商品は小分けになる傾向があります。そこで、以前から絹とうふの3個パックは存在していました。パックに豆乳を注ぎ、封をし、熱してつくる「充填とうふ」だから、何個パックにしようと作業は機械任せ。だから、それほどの手間をかけず、個食化が進む世の中に対応できたのです。しかし、木綿とうふは充填ではつくれないため、3個パックにすれば、手作業の量も3倍になり、値段は高くなってしまいます。しかも、手作業だから雑菌も入りやすくなり、日持ちも短くなってしまう。当然、小売店のバイヤーさんたちも、あればいいと思ってはいても「できない」と知っていたし、お豆腐業界でも「やってみよう」という雰囲気はまったくありませんでした。

しかし、弊社は直近の3年で、工場の製造工程を一気に進化させました。たとえば「ホットパック製法」です。お豆腐をできたての熱い状態のまま包装することで鮮度を維持し、日持ちをさらに延ばしたのです。そしてこれ以前から、第三工場のラインのご説明でお伝えしたとおり、木綿とうふの製造工程は自動化されていました。いずれも、速くつくって小売店さんに喜んでいただく、お豆腐の味をよくし、日持ちを長くし、ユーザーさまに喜んでいただくため、実施したことでした。だからこそ、私はしばらくしてから「あれ? 木綿3個パック、いまならできるんじゃないの?」という事実に気付きました。

私はたまに“常識のアップデート”と呼ぶ作業をします。過去にできなかったことが、今後もずっとできないわけではありません。そこで私は“そんなのムリムリ”と検討すらされなかったことが、いま、できるようになっているのではないか、とたまに頭の中を整理するんです。その結果、圧倒的な売れ行きを誇る定番商品が生まれたんですね。

夏目:変化は、次なる変化を内包する。これに気付いた者が次の時代を創り出す、というわけですね。では、今後の展望をお教えください。

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