日産「R35GT-R」は現行型をいつまで続けるか 次期型の情報はまだ聞こえてきていない
モデルチェンジが遅れている理由とは
山本 シンヤ(以下、山本):R35GT-Rは毎年のように改良を重ねてきてパワーも上がっています。たとえばベース車でみるとデビュー当初480馬力だったのが、最新モデルは570馬力。高性能仕様の「GT-R NISMO」に至っては600馬力もある。GT-Rの開発責任者を水野和敏さんから引き継いだ田村宏志さんから「カタチが変わらなくても変える方法はたくさんある」という話を聞いたことがあります。
ただ、クルマのカタチが変わらないことこそが、GT-Rファンにとって不安なんでしょうね。だけど過去を振り返ると、前身となるスカイラインGT-Rも「R32」「R33」「R34」(1989~2002年)とフルモデルチェンジしてカタチこそ変わったものの、エンジンパフォーマンスはほとんど変わらなかった。RB26DETTと呼ばれる型式のエンジンが積まれていましたが、3世代とも最高出力は280馬力でした。
五味 康隆(以下、五味):当時、日本の自動車メーカーにはエンジンのパワーを上限280馬力に抑えるという自主規制もありましたからね。
山本:とはいえ、確かにR35GT-Rのモデルサイクルは長いですよね。
塩見 智(以下、塩見):日産もきっと、こんなに放置するつもりではなかったはずです。たぶんカタチも含めて進化させていくつもりだったと思う。いまGT-Rを造っている人たちは、当初とは別のチームでしょう? 多少アップデートしたでしょうけど、なぜあのまま続けているのか意味がわからない。フェラーリだって、5、6年でガラッと変える時代です。昔に比べてライバルは多いし、あのカタチのままで馬力がいかに進化したとしても放置しているのは解せないですね。
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