日産「R35GT-R」は現行型をいつまで続けるか 次期型の情報はまだ聞こえてきていない
山本:一方で、今の日産は自動車メーカーとして電動化と自動化をコアテクノロジーとしています。市販車では電気自動車(EV)の「リーフ」が2世代目に移行しましたし、もし第4世代GT-Rが登場する可能性があるとして、現行モデルの延長線上でいいのかという話です。
五味:日産はモータースポーツではEVのレースマシンで競う「フォーミュラE」に参戦していますしね。R35GT-Rは、そもそも今の日産が目指している自動車メーカーの姿の延長線上にはないクルマだと思います。
塩見:R35GT-Rは、速いことは速いですが、フレッシュな存在ではないですよね。
山本:速さは問題ありません。それでもデビューから10年経った古さは感じます。そもそも2007年に登場したときから、R35GT-Rは「割と古典的」と評価されるデザインでした。それに、衝突回避ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進の安全運転支援技術はほとんど搭載されていません。
10年でタイヤは大きく進化した
塩見:プラットフォームからやり直さないとそういうシステムは付けられないですからね。
五味:R35GT-Rが登場してから10年経って、大きく進化したのがタイヤです。激変といってもいい。ところが、それを使いこなすボディ自体の進化の歩みが滞り出している。そういう意味では性能向上や進化にも限界が見えてきています。
山本:日産はセレナから搭載した「プロパイロット」などで、自動運転技術をさんざん強調していますので、次世代のGT-Rが出るとして「自動運転技術は何も付きません」とは言えないじゃないですか。さらに高い環境性能も求められるわけで。仮に今のモデルが700馬力になったとして、熱心なファンの人は受け入れるかもしれないけど、新しいものを求める人からするとどうでしょうか。
塩見:もし、次世代GT-Rがあるなら、ガラッと変わってほしいですね。今は、賞味期限が終わりつつあると思っています。役目を果たしたと言ったほうがいいでしょうか。R35GT-Rは発売当初、世界を驚かせて日本人にすごく胸のすく思いをさせてくれた。でもまさかそのままずっと11年売るとは思わなかったですけどね(笑)。
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