内定式を実施する企業の多くは10月初旬に実施するが、その段階で調査すれば、企業と学生の数字は似通うはずだ。
近年の採用では「親」を意識することが多い。内定辞退の理由が「親の反対」という経験を持つ採用担当者は多いはず。近年に生まれた「オヤカク」という言葉は、内定出しにあたって”親の確認”を取ることを指している。親向けの説明パンフレットを用意する企業もあるそうだ。
ただし、内定を出した学生の親に対する施策を実施する企業は少なく、10%にとどまる。「実施しない」が61%と多く、29%が「未定」だ。企業規模別の違いもあまりない。
もっとも、業種別に見ると、メーカー系の実施企業は6%と少なく、非メーカー系のそれは13%と多めである。対人サービス系の業種は、内定辞退だけでなく早期離職率も高いため、その対策という意味合いがあるのかもしれない。
望まないのは「eラーニング」や「役員との懇親会」
内定者フォローは、企業に対する志望度を上げさせて内定辞退を防止するとともに、翌年4月入社から始まる人間関係を醸成する目的がある。そのためには学生に歓迎される施策であることが望ましい。そこで内定者フォローの施策実施率と学生が「望ましい」とする割合を比較してみた。
内定者フォロー施策の定番は前述のとおり、「内定者懇親会」を筆頭に、「若手社員との懇親会」や「定期的な連絡」と続く。
この3施策に対する学生の支持率は高い。とくに「内定者懇親会」を文系の51%、理系の45%が歓迎している。「若手社員との懇親会」に対しては文理ともに約3割の学生が支持し、「定期的な連絡」に対しても2割強が「望ましい」としている。この3つの施策については、企業の思惑は学生と一致している。
ただし、「eラーニング・通信教育」「経営者・役員との懇親会」「入社前集合研修」「社内報の送付」については、乖離が目立つ。これらの実施率は20%台だが、「望ましい」とする学生は文系で10%台、理系では10%を切っている。
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