企業の内定者フォロー、これが学生に刺さる 「役員との懇親会」が歓迎されていない現実

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続いて実施率20%未満の施策を検証してみよう。企業があまり実施していない施策でも、歓迎する学生はいる。たとえば内定者への「資格取得支援」。これを実施する企業は7%しかないが、文系20%、理系14%は「望ましい」と考えている。「内定者旅行・合宿」も実施企業は3%だが、文理ともに11%が望んでいる。

内定者フォローで親対策を行う企業は少ないが、数パーセントの学生は「望ましい」と考えている。親はうるさい存在ゆえに、企業が親を説明して納得してくれれば子どもは楽、と言うことなのかもしれない。

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今回の学生調査では「望ましい内定者フォロー」と同時に、「志望度が高まる内定者フォロー」を聞いてみた。内容を調べてみると、「望ましい」と一致する施策もあれば、異なる項目もあった。

文理ともに最も志望度が高まるのは「内定者懇親会」で約5割だ。続いて「若手社員との懇親会」と「管理職社員との懇親会」が40%台。「経営者・役員との懇親会」も4割前後である。

内定者と若手社員との懇親会を「望ましい」とする学生は多いが、管理職や経営者・役員との懇親会を歓迎する学生は少なかった。自分の年齢に近い人間との懇親は歓迎だが、年の差が大きい”お偉いさん”は苦手ということだろう。しかし、実際に年配の幹部に接すると、教えられることは多いと言うことだろう。

「会社見学会」や「資格支援」を望む学生も多い

また「会社・工場見学会」も志望度を高めており、文系では3割前後、理系では4割近くが志望度を上げている。理系の場合は会社だけではなく研究所や工場見学も指している。理系人間はモノづくりの現場が好きなのだ。

以上、内定者フォローに関する企業と学生のデータを突き合わせて、紹介してきた。最後に効果的な施策を整理しておこう。

■基本施策
・最も効果のある「内定者懇親会」を実施。「若手社員懇親会」も効果的
 →内定者が少なければ、若手社員を交え実施する方法もある
・「経営者・役員や管理職社員との懇親会」の実施は要注意
 →年上の幹部社員を歓迎する学生は少ないので、若手社員懇親会などを経てから実施すると効果的
・定期的な連絡は必須
■スキルアップ系
・理系に対しては研究所・工場見学が効果的
 →エンジニアとの懇親会をセットするとなお良い
・「資格取得支援」も実施
・「入社前集合研修」は効果的
・必要に応じて「eラーニング」「通信教育」
 →業務上必要なら必ず実施する。業務経験のない学生にとってよい準備となり、人事がその進捗状況を確認すれば、よいコミュニケーションになる
■親対策
・「保護者向け資料」を送付する
 →送付すると内容が家庭で話題になり、家族とも親密な関係が醸成できる
■ソーシャルメディア
・内定者サイトやSNS
 →多くの内定者がいれば、仲間意識を養う効果は大きい。ただし、炎上すると逆効果なので、運営にはスキルが必要

いろいろと数ある内定者フォロー施策。企業は内定時に大まかな内容とスケジュールを学生に伝えておくとよいだろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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