人脈を作る近道は「名刺を正しく捨てる」こと? 【特別対談】岩崎夏海×太田彩子(2)

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僕は秋元さんがいたからダメだった

岩崎:あと、これも多くの人が勘違いしているのですが、偉い人とつながっていればいいってものでもないんですよ。僕は秋元さんと長らく深い関係でしたが、秋元さんがいたからだめだった、とも言えるのです。

太田:えっ!?

岩崎:秋元さんの下にいると安心しきってしまう。だからその立場にとどまってしまうのだと気づいたのです。それで僕は、秋元さんという人脈を捨てたのです。世間から見れば、秋元さんの弟子だということでうらやましがられるけど、秋元さんと関係が切れなければ、僕のその後の展開はなかった。『もしドラ』も書いていなかったでしょう。

太田:「捨てる」ってネガティブワードとして受け取られがちですけど、要は正しい判断の末に「選ぶ」ということじゃないですか。果断(かだん)と一緒ですよね。良質な果物を生かすために、いらない実をどんどん取り除いていくから、木が丈夫になって、結果的に芳醇な実が育っていく。

岩崎:僕、それを仕組み化したらいいなと思っているんですよ。あえて本棚を1個にしてしまうのです。いっぱいになったら、もう本が入らないじゃないですか、その後は1冊買ってくるごとにドラフト会議をする。新しい1冊を入れるためには、何かを1冊捨てなければならない。

太田:本箱を定員制にするんですね。

岩崎:これをやると、自分にとっていらない情報は何なのかがわかりますからね。これ、名刺でもやったほうがいいです。名刺フォルダを1冊に限定して、1年に1回ドラフト会議を開催する。新しく知り合った有望な新人が入ってきたら、その分、いらない人を捨てていく。

太田:リストラだ(笑)。

岩崎:新しい関係からより、いらなくなった関係からのほうが、自分が見えてきやすいですからね。ぜひやってみてください。

(構成:稲田豊史/収録場所:天狼院書店/11月27日更新の第3回に続く)

部屋を活かせば人生が変わる』■部屋を考える会・著 ■夜間飛行・刊/税込1680円
なぜ部屋を整えると、眠っていた能力が引き出されるのか。人生が輝くのか。『もしドラ』著者にして、“ハックルさん”こと岩崎夏海氏が代表を務める部屋を考える会が、家具配置の間取り図とともに、わかりやすく解説する。

 

毎回こちらのコラムで職場における男女のコミュニケーションの円滑化についてお話いただいている太田さんが、東洋経済セミナーとコラボして開催している、「顧客思考」養成講座。
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太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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