自転車通勤でキメている人が守りたいルール

乗り始める前に読んでおきたい5つの注意点

「自転車のいいところはハードと感じさせずに、ハードな有酸素運動ができること。走っている間は風を受けるため、かいた汗がすぐに気化熱に。放熱されやすいため暑さが気にならないけれど、信号待ちなどでとまると、ドッと汗が吹き出てくる。暑い季節は、出社した途端、汗びっしょりということになります」(疋田さん)

なので、自転車通勤は「涼しさ」と「動きやすさ」を重視したい。たとえば9月くらいの季節なら速乾素材を使ったTシャツや動きやすいスポーティなパンツ。会社に着いたら、ロッカーやバッグに入れておいたシャツとスラックスといった仕事着に着替える……というソリューションがベターだろう。

もちろん、通勤時のボトムスはツール・ド・フランスの選手たちが履いているような「レーパン」(レーサーパンツ)と呼ばれるピタピタの競技用パンツを履く手もある。黒い薄手の専用パンツで、ヒップ部分にクッションが入っているためお尻が痛くならないし、ペダルも漕ぎやすい。

ただし、レーパン姿は、ロードレーサー感は出るが、スーツ姿が多いビジネス街や社内では、浮いてしまう可能性も。初心者はもう少し様子をみてからでも遅くない。

就業規則で自転車通勤可能かを確認

ルールその5 1億円近いリスクに備える

数年前、小学5年生が自転車でシニア女性にぶつかる事故が発生。被害者が意識不明の重症となった結果、9500万円もの賠償金を加害少年の親に科せられた、というニュースが日本中をかけめぐった。

1億円近い高額の賠償額は、加害者が児童であったことを考えるとショッキングだ。しかし、繰り返しているように、「自転車は車道を走る車両の一種」と考えると理解しやすくなるだろう。クルマの事故ならば、1億円近い賠償はよくあるからだ。

「法的義務はないが、車道を走る以上、保険には入っておいたほうがいいでしょう。携帯電話会社やコンビニなどで手軽に入れる自転車保険もあるし、火災保険や自動車保険の特約として数百円で入れる保険もあります」(疋田さん)

中でもおすすめが「TSマーク」だ。自動車安全整備士の資格者がいる自転車店で整備・点検された“自転車”に対して、傷害保険や賠償責任保険の補償が1年間つく、というものだ。自転車の点検整備の料金だけで、1年間この保険に入れるという制度なので、実にお得だ。ただし、すべての自転車店に、自動車安全整備士の資格保有者がいるとは限らないので、そこは事前にチェックしておこう。

以上、駆け足で自転車通勤の基本ルールをお伝えしてきたが、準備万端用意してもあなたが勤めている会社の「就業規則」で、自転車通勤を禁止していたら元も子もない。無断で自転車通勤するのは規則違反になる。

とはいえ、昨年から施行されている「自転車活用推進法」には、「公共交通に関する事業その他の事業を行う者は(中略)…自転車の活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする」と書かれている(5条)。国の方針と、世の中の流れとともに、就業規則を見直し、自転車通勤を推進する企業は増えてきそうだ。

今のうちに自転車、ヘルメットなどを用意。まずは休日に走ってみることからはじめて準備しておくのもいいだろう。都心部に増えてきたシェアサイクルなどを使ってみるのも手だ。いずれにしても、レーパンは、少し待っても遅くはないだろう。

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