友人関係に傷つく中2女子を救う「3つの方法」 やるべきは「自分自身の欠点を直す」ことか

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コミュニケーションが得意でないという娘さんは、周囲のはっきりしゃべる子との組み合わせで、実は、うまく“ハマって”いるのです。集団は組み合わせなので、周囲の子からしたら、娘さんはその集団にいなくてはならない存在になってしまっているんですね。

別の例えでいえば、DV(ドメスティック・バイオレンス)の男性と結婚し、ひどい目に遭いながら離婚して、その後また再婚する相手は、同様のDV傾向を持った人であるという話はあまりにも有名です。心理学における「相補性」というものです。自分にないものを求めて補う傾向にあるのです。

つまり、人は良い意味でも悪い意味でも、自分にないものを持っている人に引かれる傾向があり、自分がつらくてもその組み合わせの世界から抜け出せないことが少なくありません。しかし、これが行き過ぎると、まさに生き地獄になってしまいます。

では、この構造から抜け出るにはどうすればいいでしょうか。これまで筆者が同じような境遇にあった生徒にアドバイスしてきた内容についてお話ししましょう。

問題の修正ではなく、自己肯定感を引き上げる

それは「自己肯定感を引き上げる」という方法です。

自己肯定感とは、自分は大切な人間である、重要な人間であると思える気持ちのことだと筆者はとらえています。その自己肯定感を引き上げるには、自分が得意と思えること、好きなことをもとにします。苦手なこと、好きではない領域を引き上げようとしても効果はあまり出ないからです。

したがって、娘さんの場合は、コミュニケーションが得意ではないため、コミュニケーション能力を引き上げるという手段を取ってはならないのです。ますます「できない自分」をつくり出すという結果になるでしょう。娘さん関しては、表面的にはコミュニケーション能力の問題のように見えますが、その問題となっている部分を修正させようとするのではなく、別の局面である自己肯定感を引き上げるという方法を使います。

そこで、次の3つステップを実践してみてください。

1)「今いるメンバーから離脱する必要はない。断る勇気も必要ない」と娘さんに伝える。

→ 現状を無理に変えていこうとすると、さらに事態が悪化する可能性があるので、このように伝えてまずは安心させます。

2)「将来の夢を持つ必要は特にない。夢などあとあと勝手に出てくるので心配ない」と親は自分に言い聞かせる。

→ 親が子どもの将来を心配するのはいたって自然なことですが、心配が表に出すぎると、敏感な子どもは親を安心させるために“頑張って”しまったりするため、親自身がこのような心境になってみてください。

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