意外と知らない「旅行」と「旅」の決定的違い 目的を明確にすれば徹底的に楽しめるように
これから始まる秋の行楽シーズン。ちょっと遠出して、国内や海外へ出かける方も多いのではないでしょうか。せっかく出かけるのであれば、満足度を最大限高めたいもの。そのために、必要なことは、それが「旅」なのか、それとも「旅行」なのか、正しく理解して、旅程を立てることです。それを間違えると、時として、せっかく行った旅先で、最悪な時間を過ごすことにもなりかねません。
「旅」と「旅行」を間違えて起こった大失敗
自分探しの「旅」はあるが、自分探しの「旅行」はありません。同様に、慰安「旅行」はあっても、慰安「旅」はありません。なぜなら、この2つはまったくの別物だからです。水と油のようなもので、この2つは交わることはないし、間違えれば、時として大火事を起こします。かく言う僕も、かつて「旅」と「旅行」を間違えて、大火事を起こした1人であります。
数年前に、当時付き合っていた彼女と海外旅行に行きました。行き先は、タイのサムイ島。サムイ島といえば、タイでも人気のビーチリゾートです。しかし、そんなリゾートでも、僕は、現地に着いた途端、旅好きの気持ちを抑えられなくなってしまいます。「せっかく来たんだから現地の人の暮らしを知りたい……」。
そんな気持ちがふつふつと湧いてきて、勇気を持って彼女に提案してみます。「現地の市場とか見に行きたいんだけど……」。しかし、当然ながら、ビーチでのんびり一緒に過ごしたいと言う彼女。異国の地まで癒されに来て、わざわざ治安や清潔面での不安のあるエリアに行きたいはずがありません。それでも僕がどうしても……と言い続けた結果、間をとって、地元の人が行く、ちょっと外れにあるビーチに行きました。
結果、ホテル近くのビーチほど綺麗でもなく、現地の人の暮らしが垣間見えるわけでもなく、どちらも満足することはありませんでした。その海外旅行は、ビーチリゾートに行くと決めた時点で、旅ではなく、完全に旅行にすべきだったのです。しかし、当時の僕はまだ旅と旅行の違いを理解しておらず、ただただ不満だけが募る海外旅行でした。そして、成田空港で彼女と別れました――。
このように、旅と旅行を間違えると、楽しいはずの時間もまったく楽しくないものに変わったり、場合によっては人間関係に支障をきたすことさえあります。それゆえに、旅と旅行では、旅程の組み方も違えば、行くべき人数も異なります。たとえば、自分探しの旅に行くと行って出かけた人が、数日後、何も見つけられず、ただ行ったことに満足して戻ってくることが多いのは、旅と旅行を間違えている場合がほとんどです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら