意外と知らない「旅行」と「旅」の決定的違い 目的を明確にすれば徹底的に楽しめるように

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そうやって現地の人と交流して、ハプニングを期待しながら旅をするのもいいでしょう。そのほうが、確実に、自分だけの経験を得ることができるのです。またそういうハプニングは、いつ何時起こるかわからないので、行く前から寝起きする時間を決めておくことほど、無駄なことはありません。旅の場合は、そういったハプニングも含めて、思いっきり楽しみましょう。

旅と旅行では帰りの過ごし方も大きく異なります。旅行の場合は、遊び疲れて、帰りたくない……と現実逃避したくなるのがほとんどです。せっかくリラックスしにいったのだから、最後の最後までとことん現実逃避しましょう。そうすることで明日の活力につながると思います。

旅の場合、帰りに現実逃避をしちゃダメ!

一方、旅の場合は、帰りに現実逃避するほどもったいないことはありません。旅の中の経験で得た、さまざまな気づきを持ち帰って帰りの時間に、内省して、消化しましょう。そこにこそ、旅の一番の醍醐味である成長が詰まっているのです。旅を振り返って、なぜあの体験が楽しかったのか、つまらなかったのか、なぜあのお店に入ったのか、なぜあのアート作品がいいと思ったのか、なぜあの道は避けようと思ったのか……その経験が「なぜ」印象に残ったのか、その「なぜ」の答えにこそ、今まで気がつかなかった、自分の好き・嫌いが詰まっています。

そして、そこに本気で向き合うことで、新しい自分に気づけるのです。そう、「自分探しの旅」とは、帰りの移動時間で行うものなのです。海外旅行の帰りの飛行機なんて、最高の自分探しの時間です。携帯の電波が届かず、誰も邪魔する人はいません。そこで、旅を消化して、パワーアップして帰国しましょう。

このように、「旅」と「旅行」は、似て非なるものであります。プランニングの順序だけでも、行き先から決める旅と行くメンバーから決める旅行で、大きく異なります。だからこそ、旅に行くのか、旅行に行くのか、理解せずに決めてしまうと、せっかくの時間が台なしになりかねません。旅にリフレッシュを求めてはいけないし、旅行に成長を求めてはいけないのです。

でも、それを目的に応じてちゃんと使い分ければ、その旅や旅行は最高のものになるでしょう。今の自分に必要なものは、旅か旅行か見極めて、目的に相応しいプランニングをして、見知らぬ土地で、最高の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

東松 寛文 リーマントラベラー、休み方研究家

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とうまつ ひろふみ

神戸大学経営学部卒業。広告代理店で働くかたわら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」に。週末で人生を変えた休み方のスペシャリストとして「休み方研究家」としても活動。オーストラリア『ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使』、岐阜県『羽島市アンバサダー』。70カ国159都市に渡航。3カ月で世界一周を達成し『地球の歩き方』から旅のプロに選出。TV・新聞・雑誌などメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も。著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』、『休み方改革』、『週末だけで70ヵ国159都市を旅したリーマントラベラーが教える 自分の時間の作り方』InstagramTwitter

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