面接で聞かれる質問の「定番」としては、医師や受験校の「志望理由」が挙げられる。
受験校の志望理由は「大学案内の受け売り」ではなく、「オリジナルな内容」を心がけ、他の受験者も答えそうなものは避けよう。面接官から「聞き飽きた」とか「みんな同じ答えだ」と言われないようにすべきだ。
また、「大学からのメッセージをきちんと理解する」ことも大切である。各大学の「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針。以下、AP)」は単なる言葉の羅列ではなく、大学からの「力強いメッセージ」と考えよう。そして、各大学のAPと自分の特性や将来の希望が合致することを具体的に表現すべきだ。
一例として千葉大の場合は、APの一節に「将来の日本及び世界の医学をリードするような『高い志』を有する人」とある。このケースであれば、「自分の『高い志』を具体的に説明できるか」が一番のポイントとなる。例年の面接練習では、数日後に面接を受ける状況にもかかわらず、準備不足という悪しき事例も見受けられる。受ける大学・入りたい大学からのメッセージは、事前に十分理解しておこう。
可能な範囲で「この大学に入りたい、頑張りますので入れてください」などの表現もできるとよい。「なぜ本学なのか、他の大学でもよいのでは」などにも説得力のある回答をしよう。各大学がほしいのは「〇〇大学にフィットする学生」なのだから。
スネ夫をどう表現するか
定番の質問としては、「地元や地域事情などの把握」に関するものも多い。各地域の医療事情の問題点や、大学がある地域の出身の有名人や拠点を置く有名企業に関する質問もある。このような内容も「常識」であると意識で準備しておこう。
(ピンとこない人には恐縮だが)変化球型の質問を「野球のピッチャーとキャッチャー」に例えるなら、「ノーサインで超変化球を投げ込まれる」ようなものだ。
一例を挙げると、京都大では「『ドラえもん』で好きなキャラクターは? スネ夫のような人をどう思うか?」という質問があった。いきなりアニメの話題で驚いた受験者もいただろうが、医学部の面接や小論文では、「一見すると医療とはまったく関係なさそうな質問や課題」が増えている。ところが、このような内容は「実は医療と深く結び付いている」のだ。
京都大の質問の意図は、「頭の柔らかさ・視野の広さ」「予想外の質問に対してどう対応するか」をみたいためと想像できる。この質問を「医療現場に例えるとどうなるか」を考えてみよう。
スネ夫のキャラクターは一般的に「意地悪」と解釈されているため、「好き嫌いなく患者や他のスタッフとコミュニケーションできるかをみる」というのが、この質問に隠された本当の意図であろう。この場合、「友達にしたくない。このような人とは絶対に接触しない」などの「排他的な回答」はご法度だ。「個性的」「人間味がある」などがいいだろう。
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