「2択の質問」もされることが多い。たとえば、「自分が患者なら、専門知識の多い医師と、コミュニケーション能力の高い医師のどちらを選ぶか」などだ。ここでは「どっちつかず」や「回答のブレ」に注意しよう。「どちらを選ぶか?」との質問なのだから、それに従うことが求められる。
選んだ結果に対して面接官から指摘を受け、「すぐに回答を変えてしまう」ことも避けよう。つまり、医師として「判断すべきときは信念のもとに決め、優柔不断な行動はしない」ということにつながる。
「わからない・知らない」場合は、「正直・素直」が一番だ。背伸びしたり、嘘をついたりするのは「百害あって一利なし」である。面接官には一切通用しないので注意すべきだ。「医療の知識も最低限は必要」で、知らなすぎでは意欲を疑われる。
医療関連の時事問題や専門用語も「自分の言葉で他人に説明」してみよう。たとえば、「出生前診断」についてなら、次の3項目についてまとめておこう。
2.問題意識=どんな問題点があるか
3.意見=自分はどう思うか
「予想外の質問」には、「質問を繰り返している間に考える」のも一手だ。前出した京都大のドラえもんに関する質問であれば、「はい。わたしがドラえもんで好きなキャラクターは……」と繰り返す間に考えるとよい。質問を繰り返すのは丁寧さや、「面接官の質問をきちんと把握している」ことを示すという利点もあるからだ。
面接では答えに詰まることもあるが、長すぎる沈黙は良くないので、なるべく間をおかずに答えるように努めよう。つまり、ノーサインの超変化球でも、「きちんと取ってすぐに投げ返す」必要がある。
相手は初対面の大人たち
「立ち居振る舞い」にも気を付けよう。まず、「アイコンタクト」は礼儀の基本だ。できない人は医師には向かない。「患者の顔も見ないで診療する医師」にならないようにしてほしい。
すべての回答は「はい」で始めると丁寧感が出る。「ノックしてから部屋に入る」のと同じことで、「誠実さ」を心がけよう。「無意識の口癖」も少なくないので要注意だ。緊張から、「えーっとですね、あのですね、それはですね」などがやたらと多い人もいる。最後に、「手や体は動かさない」こと。折角の回答の「雑音」となりかねない。
「受験期の対策」として「面接の練習方法」について説明しておこう。いちばん大切なのは「練習と思ってはいけない」ということだ。「練習でできなければ本番でも然り」である。練習であっても「今が面接当日」のつもりで臨んでほしい。しっかり面接練習しておかないと評価を落とすことにつながるかもしれないからだ。
過去の面接練習では「『パンデミック』という言葉を知っていますか?」の質問に対し、「全然わかんない」との回答があった。「今は予備校の人との練習」という意識だったのかもしれないが、面接官に対して「わかんない」とは言えないはずだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら