京都で「見過ごされた町」が人気化するワケ

若者や外国人は過去の歴史を気にしない

さらに京都駅近くでは崇仁とJR線路を挟んで隣接する東九条でも変化の動きがある。京都芸大移転地と隣接することから、京都市が新たな文化行政、文化交流を推進するうえで重要な地域と位置付け、2017年に「京都駅東南部エリア活性化方針」を策定。活性化を図っていくとしたのである。

現状の東九条は高齢化が進み、空地や空き家が目立つ一方で、駅に近いことからホテル建設が続けられている。このままでは観光客は来るものの、住む人のいない空洞化した町になりかねない。

そこにアートと若者を、ということで、実際、若いアーティストが古家を借りてアトリエとして使う動きなどが出始めている。2015年から2017年にかけて市内で閉鎖が相次いだ小劇場に代わる劇場建設の計画もあり、京都駅東側は線路を中心に両側から変わろうとしている。

手がつけられていなかった地域は狙い目に

さらに2010年に京都府警によって一斉摘発を受け、多くの空き店舗が残されたままになっていた五条楽園(五條楽園)でもこの何年かで、地元以外の若い人や海外資本の宿泊施設を中心とした活用が相次いでいる。こちらも繁華街四条に近く、京都駅からも歩けない距離ではない。町家を含め、風情ある建物も多く、放置されるのはもったいないと考えた人が少なからずいたのだろう。

もちろん、長い間積み重ねられてきた地域の見方が一気に変わるとは思えない。まして京都は京都出身の井上章一氏が『京都ぎらい』(朝日新書)で書いた通り、市内でも洛外、洛中など住む場所を峻別する地である。

だが、京都に限らず、地価が上がった地域周辺の、比較的安価な地域に次に面白くなる場所が生まれるのは過去のまちの盛衰の例からも、不動産的に見ても必然だ。

これまで、さまざまな経緯から見過ごされてきた地域はその流れに乗らないとされてきたが、今後はそうした除外は無くなっていくはず。逆にこれまで手が付けられてこなかった場所として狙い目と思う人も出てくるのではなかろうか。

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