「投資信託はこの3本が良い」と言える理由 「グローバル=国際分散投資」とは限らない
一方、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・国外のREIT(不動産投資信託)の合計8つの資産に12.5%ずつ投資するファンドですが、組み込まれているファンドはインデックスファンドです。やはり信託報酬は、年率0.17172%(税込み)と低コストであり、これ1本で、全世界の株式、債券、不動産に投資することができるのは魅力です。
バランスファンドは、リスク分散の観点から、自分自身でバランスを考えて複数の投資信託を購入しなくても、これ1本を買うことで広く分散投資ができ、値動きが安定します。運用中に当初の配分比率が崩れても、自動的に元の配分に調整してくれますので、手間が省けて便利です。
アクティブ型で「セゾン」を勧める理由とは?
最後はベンチマーク(運用目標)となる指数を上回る成績を目指すアクティブファンドですが、「セゾン資産形成の達人ファンド」を選びました。独立系運用会社の「セゾン投信」が運用しています。
特徴は、それぞれの地域に強みをもち、安全性や長期的な収益力を基準に、選別投資をおこなうファンドへ投資する「ファンドオブファンズ」であること。国内を含む世界中の株式に分散投資をしています。なお、株式市場の過熱により有望な投資先がない場合は、債券にも投資する運用方針となっています。
短期的に利益を狙うのではなく、投資対象となる銘柄の価値を重視し、長期的な視点に立って値上がりを目指しているところが特徴です。10年以上も運用実績のあるファンドであり、順調に基準価額、純資産総額も増加。10年の累積リターンを見ると、TOPIX(東証株価指数)やモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナルが提供するMSCI-KOKUSAIなどの指数をしっかり上回っています。
ただ、信託報酬は年率1.35%±0.2%(税込)であるので、できれば「もう少し低くなると良いかな」というのが願望です。税抜きで1%を切れば一段と魅力が上がります。なお、セゾン投信は積極的に、全国で長期投資に関する初心者向けセミナーも随時開催しています。顧客を大事にしている運用会社であることが、今回の3本に選んだ要因の一つでもあります。
今回は「国際・資産分散」の観点で、投資信託の選び方をお伝えし、読者に最後に3本を紹介しましたが、ほかにも良い投信はまだあります。読者の長期的な資産形成にお役に立てれば幸いです。
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