トルコリラ暴落後の「大惨事」はありえるのか 危険を知らせる市場のカナリアかもしれない

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世界的な金融危機はありうるのか(写真:Mehmet Kalkan/iStock)

8月10日のたった1日で20%超も下落したトルコの通貨「リラ」の動向に注目が集まっている。金融市場はリーマンショックや1990年代の通貨危機再来を懸念して株式市場も大きく株価を下げた。

そして、いま最も心配されているのが「トルコショック第2ステージ」とも言うべき状況の到来だ。

この数十年で、世界は数多くの金融危機に見舞われた。1990年代以降だけでも、1994年のメキシコ通貨危機、1997年のアジア通貨危機、1998年のロシア、ブラジル通貨危機と続いた。とりわけロシア通貨危機は、当時の最先端技術を誇ったヘッジファンド「LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)」を経営破綻に追い込み、その事後処理が原因となって100年に一度の米国不動産信用バブルを引き起こし、最終的にリーマンショックにつながった。

リーマンショックでは、BNPパリバが配下のファンドを閉鎖、あるいはベアー・スターンズ傘下のヘッジファンド破綻が「予兆」となって、100年に一度の大恐慌となった。その後もギリシャショック、チャイナショックなどが相次ぎ、世界は次々と新たな金融危機に直面する時代に入ったと言っていいだろう。

金融危機にはつねに何らかの予兆があり、その予兆を見抜いた投資家が成功者となる。今回のトルコリラ暴落は、投資家にとってはひょっとしたら千載一遇のチャンスなのかもしれない。

「ドル独歩高」プラス「量的緩和終了」が原因か?

今年の8月は、年初来40%以上、1日最大23%の下落を記録した「トルコリラ」が金融市場の主役となった。その後、幾分持ち直してはいるものの相変わらず低迷を続けている。

トルコリラに続いて、南アフリカランドも最大6%程度、アルゼンチンペソも6%程度下落。為替変動に伴ってトルコの株式も10%程度安くなり、インドネシア株なども大きく下げた。

今回のトルコショックは、金融市場にいくつかの大きな懸念を生じさせた。トルコリラ暴落の原因は、数多くの専門家がさまざまな角度から分析しているが、さまざまな要因があって簡単に判断するのは難しい。大ざっぱに考えても、次のような原因が考えられる。

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