いよいよ「ゴルディロックス相場」は終わりへ 米国の長期金利3%は通過点にすぎない

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インフレ懸念からFRBの利上げのかじ取りに市場は一喜一憂している(写真:ロイター/Brendan) McDermid

ゴルディロックス(適温)相場はいよいよ終わりに近づいているのかもしれない。

4月24日、米国の10年国債利回りは4年3カ月ぶりに3%の大台を突破した。それまでの動きを振り返ると、2017年12月にはドナルド・トランプ大統領による減税政策が成立したことをきっかけに上昇を始め、2月2日に2.84%を超えたことで、株式市場が反応して2月5日の株価暴落を引き起こした。ショックが落ち着いてからは2.7%~2.8%の水準で安定していたが、4月に入り再び上昇に転じ、一気に3%まで駆け上がった。現在は2.9%台に落ち着いているものの、今後も上昇を続ける可能性が高い。

なぜこのタイミングで金利が急上昇したのか。明確ではないが、市場では米国経済の堅調、足元の原油価格上昇によるインフレ懸念、これに伴うFRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げペース加速の観測が折り込まれているとの指摘がある。トランプ減税で財政赤字が拡大することによるインフレ予想の高まりが上昇圧力となる一方で、FRBのバランスシート縮小によって買いが減っているなど、金利上昇を止める力が弱まっていることも影響している。

3%台半ばへむけて上昇

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは「3%でも米国の実体経済からすると十分緩和的な状況だ」と語る。12月末から2月中旬が2.4%から2.9%への金利上昇であったことを踏まえれば、「4月に2. 7%でスタートした今回の上昇は5月中旬頃に3.2%程度まで上昇する可能性がある」と見ている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘シニア投資ストラテジストは「リーマンショック以前の水準である4%あたりを目指すことになる。まずは3.25〜3.5%がターゲットになる」と話す。今後も長期金利は上昇するとの見方が多いようだ。

このまま長期金利が上昇すれば、株価にも影響が出てくることになる。2月の暴落は、年末から急激な株価の高騰があったために、ボラティリティの低下に賭けていたファンドがポジションの解消を迫られるなど調整も一気に行われ、急激な株価下落となった面がある。今回は、その調整以降、株価の高騰は見られなかったため、急激な形での調整は回避できる可能性が高い。だが、長期金利上昇による重しはじりじりと株価を押し下げる要因となるだろう。

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