日本人を襲う「産後クライシス」の衝撃 なぜ妻たちは豹変するのか?

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もしあなたに0歳から2歳までくらいの子どもがいる場合、その大きな理由は、産後に急速に夫婦仲が悪化する現象=「産後クライシス」なのかもしれません。

これは2012年9月に、NHK総合の朝の情報番組「あさイチ」で紹介したものです。その主な原因は、子どもを出産した妻が、産後の夫の赤ちゃんへのかかわり方や家事の分担に、強い不満を持つことから起こると考えられています。

興味深いデータがあります。ベネッセ次世代育成研究室は、288組の妊娠中のカップルを4年間にわたり追跡調査し、毎年「(配偶者を)本当に愛していると実感する」かどうかを聞いています。

子どもが生まれる前の妊娠期を見てみると、男女それぞれ75%ほど(4人に3人)が「本当に(相手を)愛していると実感」すると答えています。ところがそんな愛情が子どもが2歳になった頃には、驚くほど落ち込みます。特に妻の落ち込みは激しくその割合はわずか2年で3人に1人までに半減しています。これは夫たちにとっては、かなりきついデータです。

冒頭で紹介したケースは、妻の愛情がほとんど冷めてしまっていることに、夫が気づいていないという事態なのかもしれません。

夫は「昔は仲がよかった」なんて言っていますが、おそらく妻はその頃から「この人の家事のやり方は本当に荒くていやだなあ」くらいには思っていたのかもしれません。ただ、その時点では、ふたりに子どもがいなかったため、物理的にも精神的にも余裕があった妻が「仕方ないわねえ」と夫を許してきていただけだったのでしょう。

しかし、一度、産後クライシスが起きてしまうと、それまで抑えられてきた妻の不満が一気に夫を襲います。こうなると夫は「最愛の人」から「育児・家事の邪魔をするやっかいな同居人」くらいにまで格下げされます。下手をすると、憎しみの対象になることさえあります。セックスレスの大きな原因にもなっています。

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