成績不振の子は「科目別の攻略法」を知らない 伸びにくい国語にも"最終手段"がある
ところで皆さんは、お子さんに何かを覚えさせたいときに、ただやみくもに「とにかくたくさん書いて覚えなさい!」なんて、具体性に欠ける指示を出してはいませんか。ダイエットだっておなかのぜい肉を落としたいときと、二の腕を細くしたいときでは運動のしかたが違います。暗記にだって作戦が必要なのは当然のことです。
たとえば社会の年号暗記なら「ゴロ合わせ暗記法」を、人物や出来事を暗記するなら「エピソード暗記法」を、植物の種類を暗記するなら「頭文字暗記法」をといった具合にです。何でもかんでも書きなぐれば覚えられるわけではありません。学校や塾の先生の中にはそのあたりのことがよくわかってない人がいて、漢字を覚えられない生徒に向かって「間違えた漢字を80回ノートに書いてこい!」といった乱暴な指示を出す教師もいますが、もはや前時代の遺物でしょう。
社会は覚えることが膨大
暗記をするのに記憶のメカニズムをヒトが瞬間的に脳にとどめておける情報量は3~5つといわれています。この一瞬の記憶を「ワーキングメモリ」といいます。そして20秒程度の短命と言われるワーキングメモリによって記憶した情報を、今度は何回も声に出したり文字に書きだしたりして短期記憶とし、その後、長期記憶化していくわけです。
長期記憶化できなければ入試では役に立たないわけで、その入り口段階の「ワーキングメモリ」の段階でつまずいてしまっては元も子もありません。しかし残念なことに、ワーキングメモリは先述のとおり、いちどきに3~5つのことがら(これをチャンクといいます)しか覚えられません。これこそがまさに「社会は覚えることが膨大すぎて頭に入れられないー」という悲鳴の原因となっているわけです。
そんなときこそ「チャンキング」というテクニックが効果的です。チャンキングとは、いくつかある情報のうち関連のあることがらをまとめること。
社会という科目は、年号とそのときに起こった事件など、莫大な量の情報を覚えなければなりませんが、「チャンキング」というテクニックを使えば、たくさんのバラバラなことがらを、ひとまとめにすることができるのです。
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