上海「シェア自転車」ブームはもう去っていた あれほどはやっていたモバイクはどこへ?

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これをリーマン以前、例えば2005年末の時価総額ランキングを見ると、①GE、②エクソンモービル、③マイクロソフト、④シティグループ、⑤BP(英)と並ぶ。とにかくマイクロソフト以外は総入れ替えである。リーマンショック後の長期にわたる金融危機と不況は、もちろん愉快なことではなかったけれども、産業界の主役を入れ替える背中を押したのではないだろうか。

日本はどうだったかと言えば、この国はむしろ変化しないことにこだわった。輸出主導型、製造業中心の経済構造も、この10年間でほとんど変わらなかった。試しに2005年の輸出上位品目は、①自動車、②半導体等電子部品、③鉄鋼、④自動車部品、⑤科学光学機器と並ぶ。これが2017年では、①自動車、②半導体等電子部品、③自動車部品、④鉄鋼、⑤原動機となる。12年間でこれだけランキングが変わらないのもめずらしい。危機で生まれ変わったアメリカ、危機をじっと耐え忍んだニッポン、といえるかもしれない。

中国は「OLD」「NEW」が割れている経済に

この点で中国はどうだったのか。中国にとって2008年は、いうまでもなく北京五輪の年であった。それが成功してホッとしたところへ、国際金融危機がやってきた。

輸出主導というエンジンが使えなくなったので、例の「4兆元の景気対策」に打って出た。インフラ投資などの財政出動により、不況を切り抜けることができた。それで危機を切り抜けることができて、「さあこれからは中国サマの時代だぜ」、と強気ムードになった。習近平時代になると、それがますます加速してきた。

ところが現在の中国は、アメリカから貿易戦争を突きつけられている。となると、再び財政カードを使いたくなるのだが、あいにくインフラ投資は国内でも一通りやってしまった。今じゃどんな内陸の街にも高層ビルが建っている。さすがに内モンゴル地域で地下鉄を作る、てなわけにはいかないだろう。そして地方政府には借金の山ができている。

ただし行き詰っているかというと、そうでもなさそうだ。国有企業主体のオールドエコノミーは惨憺たるものなのだが、今の中国経済にはニューエコノミーの活況がある。モバイクみたいなサービスがどんどん生まれて、キャッシュレス決済やデリバリーサービスなどが拡大している。

こうしてみると、危機で変わったアメリカ(そのせいか、変な大統領が出てきた)、危機で変わらなかった日本(そのせいか、政治は安定している)、そして危機で経済が変わった部分と変わらなかった部分に割れてきた中国(そのせいか、政治の締め付けが強化されている)、という分類ができるように思える。リーマンショックから10年、日米中の経済は三者三様といったところだろうか。

ということで、上海滞在は今日で3日目。それにしても抜けるような青空が広がっている。以前はPM2.5の濃度に一喜一憂したものだが、最近はかなり良くなったらしい。もっとも話題のEV車はそれほど多くは見かけない。ナンバープレートが緑色になっているから、すぐにわかるのだ。などと本日も、上海にてヒアリングとタウンウォッチングを続ける所存である。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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